内容説明
時代にはるかに先駆けて,伝統的な要素還元主義の手法が通用しない複雑な対象に目を向けた物理学者・寺田寅彦.彼の数多い名随筆から「藤の実」「エレベーター」「津浪と人間」など六篇を選び,原文と英訳をあわせて読む.それは時代と地域を超えた寅彦の普遍性を感じることのできる体験だ.翻訳や英文エッセーのコツも一緒に学べる.[二色刷]※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
目次
寅彦を今、英語で読むということ┴1 藤の実 WISTERIA SEEDS┴よみとき(1) 偶然と必然のはざま┴2 エレベーター ELEVATORS┴追記(1) 「常識」は世につれ土地につれ┴よみとき(2) ばらばらな状態の不安定さ┴3 津浪と人間 TSUNAMI AND US┴追記(2) 災害・記憶・言葉┴よみとき(3) 的中してしまった警告┴4 地震雑感 THOUGHTS ON EARTHQUAKES┴追記(3) 科学と「私」┴よみとき(4) 地震予知の難しさ┴5 天災と国防 NATURAL DISASTERS AND NATIONAL DEFENSE┴よみとき(5) 忘れた頃に来る天災┴6 流言蜚語 GROUNDLESS RUMORS┴追記(4) 寅彦のリズム┴よみとき(6) 噂の無責任さと怖さと┴あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまご
16
寅彦先生の理系だけど美しい文章,物理なのに奇跡的な綺羅をとらえた視点(物理屋さんに失礼...)が相変わらず癖になります(銀杏の葉の散るところなんて,もううっとり!).そして対訳で英語の勉強にもなるとゆー. 寅彦先生,1/fのゆらぎとかsmall world networkとか,世界に相手にされなかったけど先駆けて考えてたんだな.自然の中からこれを見出す感性がすさまじい.コンピュータが世に出て,理解されて,ようやく時代が先生に追いついたね. そして自分を含む科学に携わる者の盲進をいさめる視点もすばらしい!2018/05/23
calaf
14
寺田寅彦...名前は知っているけど、詳細な活躍内容に関してはあまり知りませんでした。こういう随筆も書いていたのですね...それにしても、著者の一人であるガリー氏はすごいですね。日本語も英語も(←アメリカ人だからこちらは当たり前?)ほぼ完璧!2013/03/14
takao
1
ふむ2021/12/07
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