内容説明
眠りから醒めない謎の病気〈特発性嗜眠症候群〉通称イレスという難病の患者を3人も同時に担当することになった神経内科医の識名愛衣。治療法に悩んでいたのだが、沖縄の霊能力者・ユタである祖母の助言により、魂の救済〈マブイグミ〉をすれば患者を目覚めさせられると知る。愛衣は祖母から受け継いだユタの力を使って患者の〈夢幻の世界〉に飛び込み、魂の分身〈うさぎ猫のククル〉と一緒にマブイグミに挑む――。本屋大賞にノミネートされた超大作ミステリー、待望の文庫化!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
299
タイトルは態々カタカナで表記しているのは、ダブルミーニングとかを意識しているのかなぁ。等と思っておりましたが、今の所それは「夢幻」を表しているらしい。通称「イレス」と言う、昏睡状態から覚めない難病患者が4人同時に入院していると言う異常状態。それを霊能力で夢の世界に行って、原因を突き止め解放してあげると言う。れ、霊能力っスか。夢幻の世界は一体何を読まされているんだってなりましたよ。4人の患者で上巻は2話、2名を救ってなので、下巻もとは思いますが、何やら色々と種を撒いている様でね。どう芽が出るのか下巻へ。2025/07/15
イアン
138
本屋大賞にノミネートされた知念実希人の長編。昏睡から醒めない難病「イレス」に同じ地域に住む4人が同時に罹患する。うち3人の主治医となった愛衣は、特殊な方法により患者の「夢」に潜り込み意識を戻す方法を探る。一方その頃、都内では連続猟奇殺人が発生し…。なぜ世界的にも稀な奇病が同時に発症したのか。愛衣が抱えるトラウマの原因となった23年前の事件との関連とは。個人的な許容範囲を大幅に超えるファンタジー要素と愛衣の独り言の多さに戸惑いつつ、本屋大賞ノミネートという事実と著者最高傑作という惹句を信じて下巻へ進みます。2022/09/03
ひさか
86
双葉社Web文芸マガジンCOLORFUL2018年11月12日号~2019年7月25日号を2分冊化し2019年9月双葉社刊。2022年2月双葉文庫化。夢幻世界の冒険を描く上巻。ありがちなアイデアで世界観も安易。2020年(第17回)本屋大賞の8位というランクもうなずける。下巻でどう化けるかが、楽しみ。2022/06/14
キナコ
69
ファンタジー系のミステリー。ユタがでてきて驚いたが、病気を精神世界へと入り込んで治すという発想には驚いた。現実でおこる連続殺人事件との関連も匂わせつつ、主人公の過去も交差してそう。関わっていく人たちの過去が悲しすぎる。何が大切なのかを考えていく主人公の強さが格好いい。ストーリーが進むにつれて謎が深まるばかり。後半は一気読みかな。2024/04/21
肉嬢★
62
ミステリーとファンタジーが融合された物語という事で惹かれました!皆それぞれ誰にも、ましてや本人も気づかない深い「闇」を抱えているのかもなーと思い知らされた1冊でした。ククルの会話で更に謎がありそうな予感なので楽しみにこのまま下巻に進みます。2023/01/24
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