内容説明
日本社会の病理を撃つ! なぜ働きざかりの男が? 悲痛の深層を抉るルポ。「人員減だから頑張る→苦しくても我慢→うつ病→自殺」の回路を断て! ーー〈すまん! 申し訳ない! どうしたらよいか分らなくなった〉と遺書を残し、入水自殺した男性管理職。自殺者の数が、年間3万人を超えた。なかでも、働きざかりの男が目立つ。不況、リストラ、過労……ストレス社会が「最悪の選択」へ追い込むのか……。14人の悲劇を辿り、家族の苦悩と社会病理を抉る渾身のルポ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あこ
19
世界自殺予防デーの時に借りた本。なんだかやるせなくて後を引く。主に過労自殺についてのルポ。20年前に執筆された本ではあるが、なぜ自殺に追い込まれたかを知ることは、自殺にむかわないための最大の防衛策であるので、おおいに読む価値がある。つい最近も過労自殺でニュースになった某企業が同じようなケースでのっており唖然。体質は簡単に変わらないのだな。社員がいなければ会社はただの箱だよ。大切にしてほしい。「安全配慮義務」という視点で、自分の職場を振り返る機会にもなった。困った時は「過労死110番」検索!(図書館)2019/11/04
axxxo
9
全文は読めていないのだが。 長時間の働きづめや多大な業務により、うつ状態になり、自殺されている方々の実話。ドイツやヨーロッパと比べても、日本人の仕事の多さに懸念してしまう。仕事内容を減らすことで、自然環境改善にもつながったりすると思う。日本の社会システムを変えることは課題でしょう。2024/07/10
Mik.Vicky
6
最近話題になっているパワハラ等がどんなものか興味があり読んでみた。私の業界も若干ブラックじみており、似たような現象は日々起きている。自殺したり、鬱になったりしたひとは身近にはいないが、なってもおかしくない状況ではある。今の立場は支店の責任者なので、自分が追い込まれる可能性もあるし、部下を追い込む可能性もある。気をつけなければならない。2017/04/26
Ikuto Nagura
2
うーん、ただただ、辛く悲しい。読まなきゃよかった。本書で取り上げられるのは、一生懸命仕事に励み、責任感にあふれ、会社の利益を考え、部下や同僚を気遣い、しかも家族を大切にする、そんな理想的な普通の男たちの自殺、自殺、自殺…。彼らは、私の上司であり、同僚であり、部下であり、私自身の姿だ。それなのに、周囲は彼らに無関心であり、会社は彼らを隠蔽し、国は彼らと無関係だと言い張る。そんな彼らが、98年からだと約50万人いる。加害企業の実名を挙げる著者の勇気や怒りで、世の中は変わったろうか。明日は我が身としか思えない。2014/11/01
うたまる
1
「過労死や過労自殺は、子どものいじめ自殺と同じように、けっして本人の性格や家庭の問題によって惹き起こされるものではない。あくまでも、相手(加害者、企業)の責任である。それがこれまでの取材を通じての、わたしの結論である」……折角の告発ルポが、こんな陳腐な左翼的結論では勿体無い。周囲の大半は自殺者が”生真面目”や”責任感が強い”と証言している。職場環境だけでなく、このような鬱になりやすい性格に対する理解と備えもまた必要なはず。尚、世羅高校のケースだけは毛色が違う。著者は遺書の”管理能力”を読み飛ばしている。2013/08/04
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