- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
新興国家・明治日本が、その存亡を賭けて戦った「日露戦争」。国力において、両国の差は歴然。面積において50倍、人口では3倍、常備軍も5倍……すべての面で優るロシアとの戦いは、“敗れて当然、勝つのは奇跡”とまで言われ、日本にとってはまさに、乾坤一擲の大勝負であった。その陸戦における参謀本部の頭脳として、“奇跡実現の演出”を行なったのが、本書の主人公・児玉源太郎である。源太郎は、日露戦争の直前まで、内務大臣で台湾総督の要職にいた。それが、対露戦が避けがたいと知ると、その職をなげうって、参謀本部次長の職についた。これはあきらかに“降格”である。しかし彼は、それを意に介さなかった。彼の脳裏にあるのは、対露戦の戦略・戦術ばかりだった。やがて、満州軍総参課長として出陣した彼の作戦は、鴨緑江渡河、旅順攻撃、遼陽会戦、奉天会戦などで、次々と功を奏して行く。“天啓とも言うべき智謀”と称された生涯を鮮烈に描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BIN
8
日露戦争を勝利に導いた軍略家児玉源太郎を描いた作品。長州藩の支藩生まれ+優れた頭脳の持ち主だからかトントン拍子に出世し、軍略に優れるだけでなく台湾当地やら日露戦争の終結の判断など政治家としても優れているようだ。ただこの作品は淡々と史実を語り、エピソードを紹介しているだけなので面白みはない。史伝として読むならよいかな。2017/04/20
maito/まいと
6
日露戦争における名軍師と名高い児玉源太郎を描いた歴史小説。坂の上の雲の印象が非常に強い児玉ですが、今作では生い立ちや、佐賀の乱や西南戦争、台湾総督時代の話しなど、坂の上の雲で触れられることの少なかったエピソードが多く、児玉のバックグラウンドがよりわかる内容になっています。軍師というより戦略家としての側面を見た方が、児玉源太郎の魅力は深まるのかもなあ、と読んで思います。2011/03/23
MIKETOM
5
日露戦争の英雄を取り上げるのはこれで五人目。海軍系では東郷平八郎、秋山真之。陸軍系では大山巌、秋山好古、児玉源太郎(本棚・PHP文庫参照)。いずれも激戦の中の激戦を描いて澱みないが、それぞれに視点の位置や重点箇所などが違っていて立体的に脳裏に描くことができた。児玉は台湾提督としても抜群の有能さを示し土匪などの懐柔に手腕を発揮した(これが台湾統治成功の基礎になっていく)し、旅順攻略にも大きく貢献している。戦後まもなく死去したらしい。まさに日露戦争勝利のために生まれてきた男と言えようか。面白かった。2023/10/27
dzuka
4
明治初期から日露戦争の近代日本の黎明期において活躍した軍人の伝記。 名高い奉天会戦だけでなく、日清戦争後の検疫事業、台湾政策にもページをさいて軍人というだけの枠にとどまらない才覚を描いている。 日露戦争においては、観察眼、論理的思考、人の使い方を含めスーパーパーソンぶり。ただ一番薄氷の上の勝利だったことを知っている人物だったのではなかったか。また、凄すぎた故に、後の日本の悲劇を導いてしまったのではないかとも思えた。 それにしても日露戦争の戦場での戦死者の多さは近代戦争の恐ろしさをまざまざと見せつけられた。2021/02/23
康一森
1
プロジェクトマネジメント本その2? 日露戦争勝利時の現地陸軍の実質参謀トップ この方の凄い点2つ ①陸軍大臣→参謀次長という格落ち人事を即答で受ける 個人の体面より、国としての実利を重視できる点 ②常に現実、現場を重視 戦略を企画する参謀は、現場に明るく無ければならない、その為には、実際の現場に行って敵地の裏側まで把握すれ、に基づく名言「第一線の状況に暗い参謀は物の用に立たない」、逆に昭和の軍人・参謀には決定的に、これが欠けていたのかと まさに歴史が示す名プロジェクトマネジャーでした2023/02/18
-
- 電子書籍
- 薬の魔物の解雇理由@COMIC 第1巻…
-
- 電子書籍
- 不思議のたたりちゃん 曖憎版 その42…
-
- 電子書籍
- 嘘つきな初恋~王子様はドSホスト~【マ…
-
- 電子書籍
- 優しい手としっぽ 捨て猫と施設で働く人…