内容説明
子どものいる親の多くが経験するPTA。保護者間の交流などプラス面もある一方で、「?」なことも少なくない。「入退会は自由」が原則なのに、そうなっていないPTAが大半だ。個別の事情が考慮されないまま、「一人一役」などの仕組みで決められる係。そして上部団体へとその一部が「上納」されるPTA会費。各地のPTAやその上部団体で使途不明金が見つかったこともある。学校単位のPTAから、それらを束ねる「日P」まで、PTAの「モヤモヤ」に多角的に迫った渾身のドキュメント。すべての保護者、学校関係者、必読の書!
目次
はじめに
第1章 まだまだおかしいPTA
1 初のPTA活動、1年目で挫折
「入退会は自由」の確認で緊張
「よく思っていないお母さんたちがいるよ」
二度目のチャンス
2 親をモヤモヤさせるのは……
原則は「入退会自由」、けれど現実は……
「一人一役」と「ポイント制」
PTA会費は学校の「第二の財布」?
PTAは母親の仕事?
「母親への非難は父親の100万倍」
卒業式のまんじゅうをもらえない?
とまどう外国人保護者
「会員はどんなに働かせてもタダ」?
3 PTAを「変える」ことの難しさ
本部役員をへて非会員へ
札苗小のPTA改革
アンケートに見る保護者の本音
一筋縄ではいかないPTA問題
第2章 これだけは知っておきたいPTA
1 PTAの仕組みの基本
学校単位の「小さなPTA」
お金から見たPTA
PTAの独自ルール
「大きなPTA」の仕組み
2 PTAはどのように始まったのか?
「小さなPTA」の誕生
「大きなPTA」の結成、文部省が推進
「日本型PTA」の完成
先生たちとPTAの関係
PTAをめぐる保護者たちの動き
行政にとっての「潜在的利用価値」
戦前の「要綱」と現代の「支援法案」
第3章 親も知らないPTAの世界
1 「大きなPTA」の解剖──「P連」の世界
PTA会長たちが抱える負担
上部団体は「補助金の受け皿」
うまみのある「PTA保険」
上部団体メンバーに見られる三つの特徴
2 PTA組織の頂点、「日P」とは?
大量動員の全国研究大会
全国大会は「街おこしイベント」!?
「PTAに上下関係はない」は本当か?
日Pは「保護者代表」なのか?
「親の願い」は掛け声でミュート
本音炸裂、日P会長との一問一答
役員経験者の「元が取れない」発言
唐突だった「日P会館」取得
日PのOBにも「日P不要」の声
第4章 「大きなPTA」はどこへ行く?
1 「親学」とPTAと現実政治と
「親学」の圧倒的な存在感
「親学」の勉強会に参加
「親学」と自民党政治家とTOSS
「親学」誕生の経緯
真の狙いは「家庭教育推進法」制定?
「親学」提唱者の来歴
「親学」の普及に熱心なPTA団体
PTAも「親学の砦」に?
2 PTAと日本青年会議所(JC)
PTAもJCも「道徳」推し
PTAとJCの共通点
「大きなJC」の政治的主張
「実は教科書採択委員なんです」
「教育再生」の中核には「徳育」
PTAとJCの連携強化?
第5章 これからのPTAのために
動き出すPTA問題
どこが、どう変わるといいのか?
「変わる」ために、どうしたらいいのか?
PTAは「自然現象」ではない
問題を指摘することはPTA活動をしてきた人の否定ではない
保護者同士の対立にしない
教員との対立でもない
意見表明・異議申し立てのための回路を持つ
突き詰めると「PTAをどう変えるか」ではないのかも?
スマートで耳ざわりのいい掛け声に乗らない
特別編 不合理なことは不合理だと声を出す……前川喜平氏インタビュー
日P「1千万会員」の政治力
会社員には難しいPTA活動
文科省の教育は「自ら考えて行動する人間」を育てなかった
「無駄な行事だ」と声を上げる
PTAのマンパワーに依存する日本の学校
地域に学校を開くとき、試される自治力
PTAと文科省の関係は?
「日本社会の病理みたいなものがつまった」PTA
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
さとうしん
てくてく
ちや
jackbdc
-
- 電子書籍
- 元、落ちこぼれ公爵令嬢です。THE C…
-
- 電子書籍
- 悪役令嬢は推し未亡人!?~転生したので…
-
- 電子書籍
- Tモバイルは顧客対応の現場を知識労働に…
-
- 電子書籍
- 高校の人達(7)
-
- 電子書籍
- おとうふちゃん 学研おはなし絵本