英文法を哲学する

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英文法を哲学する

  • 著者名:佐藤良明【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • アルク(2022/02発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784757439399

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内容説明

英語の授業で学んだ英文法が今一つピンとこなかった、結局、身に付かなかった、生きた英語を学ぶためには英文法って邪魔なのでは?などと思っている方に向け、新しい英語の見方を提言する画期的な一冊。現在の英文法に至った日本の事情や英語教育の変遷をたどりながら、21世紀ならではの英語との付き合い方を、佐藤良明先生の軽やかな語りでお届けします。

本書より――英語を学ぶとは、私たちにとって、日本語から抜け出して英語に「乗っかる」ということ。自転車やスケボーに乗るように、その上で形をくずさずやっていくということです。日本語をブランコに喩えると、ブランコには独特の漕ぎ方があって、その感覚を私たちは幼児期に習得しました。「英語に乗る」とは、違ったバランスの感覚をつかむということです。そして、英語を学ぶにはまず、<あちら>のことばを<うちら>のことばで組み伏せるような、相撲タイプの学習をやめることです。英語を訪ね、英語のしくみにしたがって、<うちら>の心の縛りを解いていきましょう。

【著者プロフィール】
佐藤良明:佐藤良明:1950年生まれ。東京大学名誉教授・放送大学客員教授。専門はアメリカ文学、ポピュラー音楽、メディア文化論。1990年代、東京大学教養学部における英語教育改革を主導、全学共通の英語テキスト『The Universe of English』(東京大学出版会)シリーズは学内外から反響を呼んだ。2000年以降はNHKの英会話番組「リトル・チャロ」の放送教材製作、「1000時間ヒアリングマラソン」の総合監修(アルク)、放送大学で「ビートルズ de 英文法」等の授業を担当する。著書に『ニッポンのうたはどう変わったか:増補改訂J-POP進化論』(平凡社ライブラリー)、『佐藤君と柴田君の逆襲』(柴田元幸との共著、河出書房新社)、『これが東大の授業ですか。』(研究社)など。訳書に『重力の虹』『ヴァインランド』(トマス・ピンチョン/新潮社)、『The Lyrics 1961-1973』『同1974-2012』(ボブ・ディラン/岩波書店)、『精神と自然』(グレゴリー・ベイトソン/岩波文庫)ほか。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

南北

43
英語を学ぶとは日本語を抜け出して英語に乗っかることであり、英語なりのバランス感覚をつかむということだ。英語と日本語は1対1対応していないので、当たり前とはいえ、忘れ勝ちな点だ。本書は英文法を国文法と比較しつつ、新たな視点から解説しているので、新鮮な発見があった。中でも「時相」という記述になっているが、通常の英文法の本では、ごちゃまぜになっているアスペクト(相)と時制をきちんと区別したのは卓見だと思う。著者は「リトルチャロ」の放送教材の製作にも関わったことがあるためか、語り口もやさしく読みやすいと感じた。2022/05/27

禿童子

34
既存の学校英文法からスタートして、それから離れるという方法が成功しているかはよく分からない。時制(テンス)ではなく時相(アスペクト)に焦点をあてた説明は独特。日本語話者から英語を理解するときの立ち位置を深く考えるというのが「哲学する」ことになるのだと思われる。とても興味深い反面、実用英語への接点がつかみづらく、高段者の「遊び」とも思えてしまうのは、こちらのひがみか(笑)2022/11/18

garyou

6
英文法も研究者がいるわけだし日々進化していくものなのだなあと思いつつ、人は一度覚えたものを書き換えるのが苦手だからなあとも思う。「時制は二つだけ、時相が三つある」と云われてもさ。この本を読めば「そういうことなのかな?」くらいにはわかるけれど。でも「この方が今まで教えてもらってたことよりもわかいやすいなあ」と思う点は多々ある。あと、高校の英文法の先生が云ってた「ネクサス」ってそういうことだったのか、という発見もあった。ゲーテの「外国語を知らぬ者は」も思い出した。2022/02/01

Kentaeigo

4
まさに哲学。前半は面白かった。後半は哲学すぎてよくわからなかった。こんな考え方もあるんだなー。 最後の項(6-8)は あとがき で書けばいいんじゃないかと思った。自分にとっては、勉強というよりかは読み物でした。2022/03/13

まさぽん

3
英文法って、改めて学んでみるとまだまだ知らない事が盛り沢山だなぁと感じた。日本語やヨーロッパ語との照らし合わせで、言語の感覚を解説している。中身が濃厚で読み終えるのに3日くらいかかった。「暗記」式の文法や構文を卒業し、そこに意味を加えたい人におすすめ。ただマニアックなので、英語講師・教師向けかな。2023/03/17

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