〈叱る依存〉がとまらない

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〈叱る依存〉がとまらない

  • 著者名:村中直人【著】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 紀伊國屋書店(2022/02発売)
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  • ISBN:9784314011884

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内容説明

【精神科医・松本俊彦氏 推薦!】
(『誰がために医師はいる――クスリとヒトの現代論』著者)

「殴ってもわからない奴はもっと強く殴ればよい?――まさか。
それは叱る側が抱える心の病、〈叱る依存〉だ。
なぜ厳罰政策が再犯率を高めるのか、なぜ『ダメ。ゼッタイ。』がダメなのか、
本書を読めばその理由がよくわかる」
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叱らずにいられないのにはわけがある。

「叱る」には依存性があり、エスカレートしていく――その理由は、脳の「報酬系回路」にあった!
児童虐待、体罰、DV、パワハラ、理不尽な校則、加熱するバッシング報道……。
人は「叱りたい」欲求とどう向き合えばいいのか?


子ども、生徒、部下など、誰かを育てる立場にいる人は必読!

つい叱っては反省し、でもまた叱ってしまうと悩む、あなたへの処方箋。

目次

はじめに

Part 1 「叱る」とはなにか
1  なぜ人は「叱る」のか?
▼「きちんと叱れ」「叱っちゃダメ」――矛盾する社会のメッセージ
(叱らないと叱られる/大人も子どもも叱られる/「叱っちゃダメ!」もあふれている/「叱る」は過大評価されている)
▼叱るの本質は何か?
(叱ることは他者の変化への願い/権力の非対称性という前提条件)
▼「叱る」でなければいけない理由
(叱るがはらむ攻撃性:「ネガティブな感情を与える」こと/本書における「叱る」の定義)

2 「叱る」の科学――内側のメカニズムに目を向ける
▼そのとき、脳では何が起きているのか?
▼ネガティブ感情の脳内メカニズム
(恐怖や不安に反応する「扁桃体」/苦痛や嫌悪に反応する「島皮質」/ネガティブ感情の基本は「防御システム」)
▼「学び」をもたらす欲求のメカニズム
(「報酬系回路」は新たな行動を促す「冒険システム」/人の欲求を刺激するさまざまな「報酬」/損をしてでも罰したい?)
▼「叱る」の効果と限界を考える
(効果①:危機介入/効果②:抑止力/「叱る」が効果的な方法だと誤解される理由/なぜ学びや成長につながらないのか)


Part 2 「叱る」に依存する
3 叱らずにいられなくなる人たち
▼叱ると気持ちよくなってしまう罠
(自己効力感という「報酬」/処罰感情の充足という知られざる「報酬」/「叱る」の強化と慢性化)
▼「叱る」がエスカレートしていくのはなぜか?
(慣れが事態を悪化させる/幻の成功体験/長期化する「叱られ」の弊害)

4 「叱らずにいられない」は依存症に似ている 
▼依存症(アディクション)のメカニズム
(依存症(アディクション)とは?/強い快楽だけが原因ではない/根本にある「現実からの一時的逃避」)
▼〈叱る依存〉と依存症の類似点
(叱る側のニーズを満たすための「叱る」/叱る人の苦しみを和らげるために〈叱る依存〉が加速する)

5 虐待・DV・ハラスメントとのあいだにある低くて薄い壁
▼虐待の背景にある〈叱る依存〉
(「叱る」と「しつけ」の結びつき/虐待は誰にでも起こりうる:心理的虐待とはなにか?/マルトリートメントという新たな視点)
▼〈叱る依存〉とDV・ハラスメント
(パートナー間の権力格差/歪んだ関係:トラウマティックボンディング/職場のハラスメントと〈叱る依存〉)
▼叱るを正当化したくなる心理
(被害者意識が強まっていく/私はそうやって強くなった:生存者バイアス/みんなで〈叱る依存〉を正当化する)

Part 3 〈叱る依存〉は社会の病
6 なぜ厳罰主義は根強く支持されるのか?
▼日本の少年法は「甘い」のか――厳罰化する少年法
(忘れられた実態/効果のない政策を後押しするもの)
▼薬物依存は犯罪なのか――ハームリダクションという視点
(歴史が教える厳罰化の敗北とハームリダクション/課題解決か、処罰感情の充足か)
▼制度に根付く懲罰の発想
(効果のない禁止と罰:ゲーム条例/形を変えた厳罰主義:日本における中絶方法を例に)

7 「理不尽に耐える」は美徳なのか?
▼スポーツ指導の〈叱る依存〉
(日本のスポーツ界における子どもの虐待/指導という名の「暴行」を支える人たち/反体罰への新しい動き)
▼学校教育の〈叱る依存〉
(学校という治外法権の場/目的を見失った校則:理不尽なルール遵守の強要)
▼理不尽に耐えることで何が起きるか
(「強要された我慢」で人は強くならない/我慢の強要の先にある無力化/重要な「セルフコントロール」の力/やりたいことがなにもない!)

8 過ちからの回復が許されないのはなぜか?
▼エンターテインメント化するバッシング
(「叩いていい人」認定の恐怖/処罰欲求が暴走する現代のコミュニティ)
▼ 立ち直りと成長の支援が足りない日本の刑法システム
(映画「プリズン・サークル」より/罰を与えれば反省するという幻想/加害者の支援という課題)

Part 4 〈叱る依存〉におちいらないために
9 「叱る」を手放す
▼マクロな視点――社会の常識を変えていく
(「素朴理論」との戦い/苦痛神話からの卒業/処罰欲求と向き合う/「叱らずにいられない人」への支援)
▼ミクロな視点――「叱る」とうまくつきあう
(叱る自分を、叱らないために/叱るときの注意点/「叱る」を手放していく/ニューロダイバーシティな人間理解とは?)
▼「前さばき」――そもそも問題が起きる前に
(予測力を鍛える/しないのか、できないのか、それが問題だ/「未学習(できない)」への対応:やり方を工夫する/冒険モードを邪魔しない/「誤学習(できない)」への対応)
▼〈叱る依存〉に悩むあなたへ

あとがき
〈叱る依存〉をより深く考えるためのブックリスト

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

156
臨床心理士が示唆する〈叱る依存〉が齎す双方への逆効果。利他的にも利己的にも活性化する報酬系回路、馴化や回避によるスパイラル機序、効果的限界、対処法を眺める分には良い。しかし、叱られる側ばかり扱う人のマクロ視点や叱責の概念自体に曲解があるようで、「叱る」から「虐待」を繋げるのは度を越した拡大解釈だと思う。推論の蓄積を次第に断定に発展させるデータ引用や考察も持論ありきな印象。例えば、日本の医療事情が絡んだ経口避妊薬承認問題、楯にもできる少年法などを安易に叱る依存と結びつける思考には専門分野への依存が見られる。2023/05/07

せ~や

103
面白かったです!「叱る」という行為を、脳神経学+心理的な視点から説明していて、「叱る」が生む効果もですが、「叱る人」「叱られる人」にもたらす効果も説明されていて、すごくわかりやすくて読みやすかったです。「叱る」はすでに上下関係があって、叱る側の欲や何かを満たすためのモノで、「あなたを思って」って言葉は叱る側の言い訳だって思ってたし、「叱る」を極力しないようにと思ってましたが…ちょっと答えが見つかりました。きちんと考えて、「叱る」をしないといけないと感じました。☆5.02022/05/19

R

87
本当か?と思いつつ読んだのだけども、DVの仕組みが、とても整然と説明できてしまうので、深く納得させられた。叱るという行為に依存性があって、叱ることで人より偉いと錯覚できるある種の快楽報酬を得るために安易に叱る行為に走ってしまうというのが、SNSとかの正義を振りかざすそれにも適用されるというのはなるほどと思った。叱るというアクションに対して、思った通りの反省を引き出せないとエスカレートしてしまうのも、納得できてしまうんだが、叱られる方も耐性だけでなく依存が現れるというのが恐怖だわ。2023/02/02

ちゅんさん

56
これは読んでよかった。“学びや成長を促進するという意味での「上手な叱り方」は存在しません”この一言につきる。自分は怒ると叱るを区別出来てるから大丈夫、と思ってたけど全然そんなことはなく相手にネガティブな感情を与えて変化を促すこと自体が良くない。すごく学びになった。説教しながら恍惚としているあいつに読ませたい2023/03/09

空猫

41
お気に入りさんのレビューから。これは良書。多くの方に読まれてほしい。「叱る」行為は一種の快感である←激しく腑に落ち膝打ちまくった。何かを習得する時に苦労、我慢を他から強要しても効果はなく、とにかく「自ら」選択し努力するべき。失敗に対して過去の事までほじくり出して延々と説教をする人って、もはや依存症なのだな。そしてそれがパワハラ、DV等に繋がりやすい、と。いつも叱る人は、叱られてばかりいた人、とも。ネットで自分になんの損害もない無関係な人まで叩く風潮への警鐘も。 2022/10/03

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