内容説明
東京新橋で銀行立て籠り事件が発生した。男性客が刺殺された後、犯人は逮捕されたが、被害者は40年前に成田闘争のデモで機動隊員を殺して手配され、公安に追われた男だった。その捜査に警視庁特殊事件対策班（ＳＣＵ）が動きだす。ＳＣＵは犯罪が多様化する中、あらゆる事件の現場に介入できることを許された警視総監直轄の組織でチームは５人。公安出身のキャップ・結城から被害者の藤岡を調べるよう指示された八神は、犯人、被害者、公安が複雑に絡む事件の真相に、特殊能力を個々に持つメンバーの協力を得て挑む。才能豊かな刑事チームを描く警察小説！
目次
第一章 立て籠もり
第二章 逃げる男
第三章 狙われた男
第四章 悪者たち
第五章 もう一つの人生
第六章 裏に生きる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
502
待望の新シリーズ（願望）。警視庁内のいわゆる「潤滑剤」をつとめるという「特殊事件対策班（SCU）」。ここに勤める八神（捜査一課くずれ）とほかのメンバーが、他部署の隙間に落っこちたような事件に真っ向から取り組む。思うに堂場さんは「学生運動」の残り香を嗅いだ、最後の作家世代なのではないか。事件はその当時から、現代のサイバー犯罪にまで及ぶ。メンバーは一癖も二癖もあるツワモノ揃い。個人的には唯一の女性キャラである、朝比奈由宇にとても惹かれる。彼女とその仲間たち（笑）の今後の活躍が楽しみだ。2022/08/03
旅するランナー
263
警視庁捜査一課から特殊事件対策班(SCU:Special Case Unit)に異動(左遷？)してきた綿谷刑事を主人公にした、新たな堂場印作品。メンバーそれぞれが持つストロングポイントが見えてくるのが、とっても楽しい。令和版太陽にほえろ!になり得るんじゃないでしょうか。銀行立て籠り→元学生運動→闇サイトZへと繋がっていく展開も面白く、刑事小説シリーズとして、すっげ～注目上向きます(SCU)。2022/10/01
いつでも母さん
172
堂場さんの新しいシリーズが始まった。タイトルは好み(笑)公安出身のキャップ·結城49歳の下、主人公の童顔·八神38歳と女性刑事の朝比奈30歳に、2世刑事のベテラン綿谷、唯一20代でガタイの良い最上が属するのはSCUと言う新しい部署だ。紹介兼ねての事件の顛末··つかみはOK！っていう感じだろうか。いやいや、もう少し読んでから判断したい。沢山のシリーズがある堂場さんだから、その後どうなった？って思うキャラもいるのだ私には(例えば一之瀬や澤村··)そして追いかける私の気力次第でもあるのが厳しい現実(汗) 2022/01/07
納間田 圭
131
SCUの正式名はスペシャル ケース ユニット。計画性ない銀行立て篭もり。見せしめ大学教授宅放火。正体なき闇サイト管理人「Ｚ」。コンビニ車飛込み荒技解決。40年前に遡る成田闘争しがらみ。担当はボーダーライン…一部署だけでは対応しきれない境界線上の捜査。そのメンバーは…5人。視野が広い童顔マイホーム刑事。初女性刑事部長候補の仕切り屋刑事。柔道剣道空手そして将棋合わせて12段の二世刑事。天才ドライバー体力自慢の若手刑事。そして…公安から来た謎のチーフ49歳。読み処はそれぞれが…ある特殊な得意技を持っているところ2022/01/16
タイ子
109
新シリーズ開始。警視庁SCU（警視庁特殊捜査班）に配属された八神。元捜査一課のベテラン刑事だが、顔の童顔が良くも悪くも捜査に一役買ってることは確か。メンバー5人は皆何かしらの特技を持つ。これだけでも面白い事が起こりそうな予感。何せキャップの結城の正体が掴めない、私生活不明、会話も最小限度、元公安。銀行の立てこもりが事の発端で繋がっていく事件の真相。真実が暴かれる時思わずえーっ！ですよ。またもや日本の中枢の裏側を覗いた感じ。ラストに結城の一面を見てニヤリ。この面子がどんな面白いものを見せてくれるのか楽しみ！2022/01/27
