講談社文庫<br> 瓦斯灯

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講談社文庫
瓦斯灯

  • 著者名:連城三紀彦【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 講談社(2022/02発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784061840751

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内容説明

歳月が露わにする秘め事の真相は? 愛憎反転する男と女の心の襞をミステリアスに描く、鬼才の愛の推理ーー歳月は、人を恋う心の炎(ほむら)を消してしまうのか、あるいは、さらに激しく燃えたたせるものなのか。17年前、相思相愛だった男と女が、いま再会して露わになる数奇な離別の真相とは……という表題作など、愛が憎しみに、悦びが哀しみに、一瞬にして反転しうる心の襞をミステリアスに描く、会心の恋愛推理小説5編。男と女の哀しく数奇な物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モルワイデ鮒

13
男と女の炎が静かに激しく燃える四編と最後の一編。簪や懐中時計などが登場人物の関係を表すのにいい役割を演じていて胸に沁みる。独特な美しい表現の文章も読み心地がいい。そして最後の『親愛なるエス君へ』。途中までいい気持ちでうっとりしっとりさせといてこれはどういう狙いの五編構成なのか混乱してアワアワしています。それぞれ面白かったのは間違いないが別々に味わいたかったかも。2025/02/03

しろ

13
☆7 著者らしいミステリの短編集。大きな仕掛けやトリックがあるわけじゃないが、印象を反転させる綺麗なミステリ。文芸っぽいミステリを書かせたらピカイチだなぁ。謎がしっかりと提示されるわけではないが、「人の心はミステリ」というのを地で行っていて、彼らはその時何を考えていたのかの類推が興味深い。特に好きだったのは「火箭」「親愛なるエス君へ」。前者は浮気する方とされる方の気持ちを絵画と合わせて想像させる美しさがあり、後者はカニバリズムというテーマをふたつの切り口からみせてくれる。2014/01/20

ジャム

3
目に浮かぶような美しい情景と細やかな女性心理を描いた恋愛ミステリーを軸とした傑作短編集!特に「花衣の客」は、少女が母と心中未遂を起こした男にその後二十二年の長きに渡って報われない思慕を寄せるという話なのですが、その鮮やかなどんでん返しには目を瞠りました。「瓦斯灯」、「炎」、「火箭」も同じくどんでん返しとラストのうまさが光る佳品。ラストの「親愛なるエス君へ」は前4作とはうってかわって、カニバリズムに憧憬を覚える男のサイコな話なのですが、これもどんでん返しと最後に明かされるエス君との関係性が怪しくも美しいです2016/01/07

ちょーのすけ

2
「花衣の客」と「親愛なるエス君へ」は『レジェンド』で読んでいて、今回の再読でももちろん素晴らしいと思ったのだけれど、一番好きだなと感じたのは「炎」。「桔梗の宿」と似た味わいでした。2018/11/13

わた

2
火をモチーフにした3部作以外は既読。 相変わらず美しい作品集。個人的には瓦斯灯がお気に入り。終盤の「安さんがおかしなことをしている」にやられた。過去の体験にそう繋げるのか。この人もこういう生き方しかできなかったのだろうか。美しくも悲しく切ない物語だなぁ。 あとは前にも読んだことあるけど、今作中特に異色な「親愛なるエス君へ」が衝撃。絢辻行人が絶賛していたのに納得。騙された!耽美的な美しさは皆無だし、暗く猟奇的な作品だけど、これはこれで好み。同じ作者とは思えない。 2018/07/23

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