下田歌子と近代日本 - 良妻賢母論と女子教育の創出

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下田歌子と近代日本 - 良妻賢母論と女子教育の創出

  • 著者名:広井多鶴子
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  • 勁草書房(2022/02発売)
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  • ISBN:9784326603398

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内容説明

下田歌子の教育方針「良妻賢母論」。性別役割分業体制の形成期、主婦や母の価値を高めることによって、女性の地位を高めようとする「ドメスティック・フェミニズム」に良妻賢母論を位置づけ、婦人参政権や女性の権利を求める第1波フェミニズムとは別の系譜として地位向上を求める女性の要求が存在したことを明らかにする。

目次

序 章 下田歌子研究にあたって [広井多鶴子]
はじめに
1 下田学校(桃夭学校)と華族女学校─明治前期の上流女子教育
2 実践女学校の設立と福祉事業─一般女子、貧困女子、清国留学生の教育
3 下田研究を阻んできたもの
おわりに
第I部 女子教育の創出
第1章 下田歌子・女子教育の源泉─皇后との関係 [久保貴子]
はじめに
1 皇后との邂逅
2 明治初期の女塾
3 桃夭学校の開校
4 華族女学校開設と皇后の行啓
5 皇后が下賜した『婦女鑑』
6 「読本」に採択された下田の文章
おわりに
第2章 華族女学校における体育・スポーツ教育の先駆的展開と下田歌子 [荒井啓子]
はじめに
1 華族女学校の開校とその教育理念
2 第四代校長・細川潤次郎による体育・スポーツ教育の奨励
3 華族女学校の運動会
4 下田歌子の体育・スポーツ教育観と華族女学校におけるその教育実践活動
5 下田歌子考案「女袴」
6 下田歌子の欧米視察と新しい女子教育への模索
おわりに
第3章 下田歌子と津田梅子─西洋文化との出会いと女子教育の創出 [香川せつ子]
はじめに
1 下田歌子と津田梅子─二人の出会いと華族女学校
2 一九世紀末のイギリス留学と女子教育
3 下田歌子のイギリス女子教育視察
4 津田梅子のイギリス留学
おわりに
第4章 自立自営への道─『泰西婦女風俗』とイギリスの女子教育 [志渡岡理恵]
はじめに
1 一九世紀末イギリスの女子教育
2 下田のまなざし(1)イギリス式しつけと人格形成
3 下田のまなざし(2)女性と職業
おわりに
第5章 帝国婦人協会の設立 [小山静子]
はじめに
1 西欧の衝撃
2 「帝国婦人協会設立主意書」にみる設立の意図
3 帝国婦人協会と実践女学校
おわりに
第6章 明治末の日本人女子教員中国派遣と下田歌子 [加藤恭子]
はじめに
1 下田歌子と中国女子教育
2 東洋婦人会の女子教員派遣
3 日本人女子教員派遣の発展
おわりに
第II部 良妻賢母論と家庭論
第7章 下田歌子・女子教育の思想可能性 [伊藤由希子]
はじめに
1 不完全な男と不完全な女
2 家政という「内政」
3 「一般の婦人に向かって望むところ」─女子教育者として
おわりに
第8章 下田歌子の手芸論─「手芸」による女子の自立を目指して [山崎明子]
はじめに─下田歌子と手芸
1 下田歌子の手芸書
2 「手芸」の体系
3 手芸論の背景のあるもの
4 下田歌子の手芸論
第9章 下田歌子の家政論─主婦が主宰する家庭と国家 [広井多鶴子]
はじめに
1 一家の主が管理する家事
2 男の家政書から女の家政書へ
3 下田歌子の『家政学』
4 主婦の役割と家庭・国家
おわりに
第10章 下田歌子と幼児教育─明治期から大正期の家庭教育と幼稚園教育をめぐって [松田純子]
はじめに
1 近代日本の幼児教育
2 実践女学校付属幼稚園
3 幼稚園教育と家庭教育
4 下田歌子の育児・家庭教育論と幼児教育
おわりに
終 章 下田歌子を捉えなおす [広井多鶴子]
はじめに
1 「今の女」から「古い女」へ
2 保守主義と進歩主義
3 新に奔らず旧に偏せず、古今東西に通じ
4 国家主義と女子大学設立構想
5 男女別学体制と女性の国民化
おわりに
あとがき
年表
執筆者一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Olive

12
下田の思想が知りたくて手にした。 下田は日本が西洋文化を無批判に受け入れた反省から、歴史から女の役割をもう一度見直すことを試みた。必ずしも女は男の下に置かれていたのではないとする。 進取的な男と守成的な女、それぞれ役割があって性差というのは表裏、陰陽のように現れ方の違いなのだ。 女の第一事業は家政(家庭の秩序を保つこと)だという。 明治以降国家は、西洋にならい内政刷新のみ重んじている。女が家を充分に整えてこそ国も繁栄するという(福沢諭吉の影響か)それゆえ女の仕事は男の仕事に劣るものではない。2023/02/09

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