失われた未来を求めて

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失われた未来を求めて

  • 著者名:木澤佐登志
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 大和書房(2022/01発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784479393818

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内容説明

『ニック・ランドと新反動主義』『ダークウェブ・アンダーグラウンド』『闇の自己啓発』など、いま最注目の文筆家による約3年ぶりの単著!

資本主義の〈外部〉を見据え
アリスのようにウサギの穴から落ちること――

カール・マルクス、サイバーシン計画、L S D、反知性主義、再魔術化、そしてアシッド・コミュニズム。
過去と現在を行き来し、亡霊のように彷徨う〈ありえた未来〉を幻視する旅は、やがて60年代サイケデリクスとカウンターカルチャーの可能性を再び蘇らせる。
世界の変容を志す新たな覚醒のために捧げる16篇。


■目次

Chapter1 資本主義リアリズムと失われた未来
1 未来の誕生と喪失
2 資本主義リアリズムの起源
3 未来を幻視する――失われた連帯のために
4 カウンターカルチャーの亡霊――祓われた六〇年代

Chapter2 アシッド・コミュニズム――再魔術化と反脱魔術化
1 マーク・フィッシャーと再魔術化する世界
2 近代からの逃走――スイスに胚胎したカウンター思想の源流
3 LSDと知覚の扉―― 帰郷、あるいは自己変容による革命
4 霊的資本主義――スピリチュアル、自己啓発、スマートドラッグ

Chapter3 変性する世界
1 反知性主義の起源を求めて――大覚醒、食物中毒、集団幻想
2 蜂起を生きる――カント、フーコー、フィッシャー
3 議事堂の中のシャーマン――虚構の時代の陰謀論
4 可塑的な〈世界〉へ――資本主義リアリズムからの解放

Chapter4 共同体と陶酔――反脱魔術化の身体に星が降るとき
1 否定と治癒 ――逸脱者たちの目覚め
2 痙攣する身体
3 鏡の牢獄――既知と自己の乱反射
4 それでも未来は長く続く

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

塩崎ツトム

19
ELOのTwilightの一節「I only meant to stay a while(もう少しここにいたかった)」。わたしたちはノスタルジアに取りつかれている。しかしそれはやってこなかった未来、ユートピア、産まれる前の高度経済成長期に向けられる。しかし夢見ることすら幸運であり、資本主義はオルタナティブを否定し、ドラッグは幻覚や幻想を夢見るためではなく、現実での労務のポテンシャルを上げ、諦念を伴う可塑的精神を得るために用いられる。その名も「スマート・ドラッグ」!2025/01/04

garth

13
思想オタクによるこなれたまとめ。『資本主義リアリズム』にジョゼフ・ヒースとホフスタッターを接続するところはなるほどと思わされたけれど、結局そこからの脱出法は個人の変容しか見いだせてないんだよね。そこらへんにオタクの限界を感じてしまいました。2022/04/08

無重力蜜柑

12
つまらない。今回はヒッピー文化を中心にドラッグ、サイバネティクス、フィッシャーなど色々取り上げているが、テーマは『闇の精神史』と全く同じで、要はグローバル資本主義からの脱出経路を求めて過去の異端思想を渉猟するというもの。どうもこの著者はあらゆる素材を自分の主張に直結する傾向があるようだ。しかも、その手つきがあまりに平板かつ単純で説得力を感じられない。「反脱魔術化」と「再魔術化」を巡る議論にこの傾向は顕著で、様々な事例をどちらに割り振るかは党派性(何となくリベラルっぽいか否か)で決まっているように思える。2025/08/12

しずかな午後

9
資本主義に不満を持ちながら、それ以外の道を見つけることができない「資本主義リアリズム」。我々は資本主義リアリズムというバッドトリップを生きている。そして新自由主義、ポピュリズム、優生思想の蔓延するこの現代社会に、果たして輝かしい「未来」、別の社会の可能性はあるのだろうか。という問題意識のもとに書かれた哲学的エッセイ。とにかく挿話の面白さと、文体の美しさで読まされる(ただ、後半は抽象的で難しい)。映画「ジョーカー」を、主人公アーサーが全てを失うことで逆説的に解放される、と解釈するジョーカー論にはハッとした。2022/10/02

ささやか@ケチャップマン

9
えんじ色?の文字がやや読みにくく感じたのだが私だけだろうか。さて、内容としては資本主義リアリズムにおいて外部が想像できない現状を指摘し、そこからの脱出を模索するために、種々の議論を牽いていく。脱出の方法が得られた感はなく、閉塞感を覚える自分がいた。数々の議論は示唆に富んでているようにも有識者には思えるのだろう。2022/05/26

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