私は男でフェミニストです

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私は男でフェミニストです

  • ISBN:9784790717645

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内容説明

韓国の男子高校で教える著者が、学び、実践してきたフェミニズムとは?
生きるための「男フェミ」宣言。

2018年に刊行後、韓国各紙で話題になり、「幸せな朝の読書推薦図書」や「今年の青少年教養図書」にも選定された「本格男フェミ入門書」。初の邦訳。

 上野千鶴子さん推薦!
 「男なのに、フェミニストです」とか「男のくせにフェミニストなの?」とかいうのを聞くと、その他人ごと感にイラッとする。そうだよ、あんたのことだよ、これはあんたに宛てたメッセージだよ、と言いたくなる。
 チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ流に『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』というなら、フェミニストでないひとたちをどう呼ぶか?
 セクシスト(性差別主義者)というのだ。
 セクシズムって男と女の非対称な関係のことだから、これから自由なひとはいない。このなかでは、ひとは加害者であるか被害者であるかのどちらかだ。いや、もうひとつ、忘れてた。傍観者っていうのがあった。……
 ……韓国から、こんな男性フェミニストの本が生まれたとは感激だ。
 女にも男にも、誰にも、被害者にも加害者にも、そして傍観者にも、ならないでほしい。
  (「解説」より)

 本文抜粋
 私は男子高等学校の教師である。私の職場の半径二〇〇メートル内には、すぐにでも男性ホルモンで爆発しそうな完全なる「雄」八〇〇人が生息している。教室では、悪たれ口を叩き、力自慢に余念がないが、そこに悪意はない。なぜそんな行為をするのかと聞くと「とくに理由はない」という答えがいちばん多く、以下「面白いから」「強く見えるから」の順である。……
 男たちに提案したい。声を上げる女性を抑圧する時間で自分を振り返り、フェミニズムを勉強しよう。時代が読み取れず、淘汰されることのないようにしよう。一緒にフェミニストになろう。失うものはマンボックスで、得るものは全世界となるだろう。
  (「プロローグ」より)

【目次】
プロローグ――男がフェミニストだって?
1章 母と息子
2章 フェミニズムを学ぶ男
3章 先生、もしかして週末に江南駅に行ってきたんですか?
4章 八〇〇人の男子生徒とともに
5章 ヘイトと戦う方法
エピローグ――共に地獄を生き抜くために
読書案内――男フェミのためのカリキュラム
解説 『82年生まれ、キム・ジヨン』の夫、それとも息子?――上野千鶴子
訳者あとがき

目次

プロローグ 男がフェミニストだって?
1章 母と息子
我が家がおかしい
貧しい家の娘の人生
フェミニズム思考のはじまり
中年女性の居場所
ほかの家もこうなのか?
母のうつ病
2章 フェミニズムを学ぶ男
善意と良心にだけ依存するのは不安だ
性暴力事件はどのようにして起こるのか
いい女は天国に行くが、悪い女はどこにだって行ける
厳格に見える家父長制の卑劣な陰
男だからよくわからないんです、学ばないと
生徒と教師で出会ったが、いまでは同志
3章 先生、もしかして週末に江南駅に行ってきたんです?
私が沈黙しなかったら
なぜ女性嫌悪犯罪と言わない?
同志はいずこへ、イルベの旗だけが空を舞う
大韓民国で女性として生きるということ
男には寛大に、女には厳格に
被害者に詰め寄る韓国社会
統計で見る韓国女性の一生
男もフェミニストになれるだろうか
4章 八〇〇人の男子生徒とともに
生きるためのフェミニズム授業
「そばの花咲く頃」――性暴力を美化しているのではないか
「春香伝」――いまも昔も女性はなぐさみもの
李陸史は男性的語調、金素月は女性的語調?
『謝氏南征記』――真犯人は誰だ?
『未来を花束にして』――現在に生きず、歴史に生きよう
[人間]-[男性]-[成熟]が「少女」だとは
5章 ヘイトと戦う方法
男ばかりの集団で発言すべき理由
間違って定めた的、そしてヘイトがつくりだした左右の統合
差別の歴史的淵源
男子高校でフェミニズムを伝えます
生徒たちの非難に対処する方法
同志とはどのように結集するか
有利な側より有意義な側に立つこと
エピローグ 共に地獄を生き抜くために
読書案内――男フェミのためのカリキュラム
解説 『82年生まれ、キム・ジヨン』の夫、それとも息子?――上野千鶴子
訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とよぽん

49
韓国の国語教師チェ・スンボムさんが、韓国社会の男女不平等について考察し、行動したことを書いている。まず、男性のフェミニストが名乗りを上げて社会の悪弊を変えていこうと訴えていることに驚いた。しかも、韓国のことでありながら、まさに日本でも同様のことがあると思う点が多かった。著者は自分が生まれ育ってきた家庭で、愛慕する母親が一人の人間としての人生を生きることができていないことに心を痛める。そこが彼のフェミニストへの第一歩だった。彼の主張は、男性が変わらなければならない、ということ。上野千鶴子さんの解説つき。2022/11/27

katoyann

30
韓国の高校教師が書いたフェミニズムのエッセイ。フェミニズム・リブートに呼応するように、マンスプレイニングに陥る危険性を警戒しながら、男性としてフェミニズムを支持する思いを綴っている。性別賃金格差が大きく、女性が暴力被害に遭いやすい社会に対し、疑義を呈する内容である。 韓国におけるルッキズムもセクシュアルハラスメントもDVも日本と構造が似ているので分かりやすい。女性が被害を告発したら論点をすり替えて「男性差別」を訴える男性が多いという話は日本とそっくり。徴兵制があるのでやや異なるところもあるが、面白かった。2022/01/23

27
著者「女性でもないのに、なんでフェミニズムを」 後輩「男だからよくわからないんです、学ばないと」。著者と、フェミニズムを学ぶ後輩との会話だ。その返答は、著者を目覚めさせた。自分も学ばなければならない、と思った。女性の問題は、男性の意識を変えないと変わらない。 男性の言うことにしか耳を貸そうとしない人も、世の中にはいる。わたしはフェミニストではない。だけど、わたしみたいなフェミニストでもなんでもない女性たちが読むと、世界がひっくり返るような本である。少なくとも、価値観は大きくゆさぶられる。2022/02/23

さく

23
表紙の絵はとぼけた感じだけど、ちゃんとしたフェミニズムの本だった。ただ、注釈が多くて読みにくい。韓国での男女間の格差は大きいなぁと思って読み進めるが、実は日本の方がジェンダーギャップ指数は低いと知り驚く。フェミニズムは、女性だけが主張していてもだめなんだ。男性が、変わらないと。だから、男のフェミニストには意味がある。男は女の意見は聞かなくても、男の意見なら耳を傾けるのだから。私自身は、女性だから損だとかは思ったことはないけれど、最近の女子トイレのニュースを見ると、それはちょっとおかしいのでは、と思う。2023/03/26

ruki5894

16
悲しい。人間は残酷な生き物だ。自分もそうなのだろう。深く刻み込まられ染み込んだ意識は、なかなか変わらない。つい、心を閉ざしてしまう。誰とも関わりたくない。無関心が罪であることもわかっているつもりでいるが、できればなるべく他人と関わらずに人生を終えたい。悲しい人生だな。2022/05/08

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