現代怪談考

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現代怪談考

  • 著者名:吉田悠軌【著】
  • 価格 ¥2,090(本体¥1,900)
  • 晶文社(2022/01発売)
  • GWに本を読もう!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
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  • ISBN:9784794972880

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内容説明

姑獲鳥、カシマ、口裂け女、テケテケ、八尺様、今田勇子――
そのとき、赤い女が現れる。
怪談から読み解く現代史。恐怖の向こう側にあるものとは。

絶対に許せない人間の「悪」。
深淵を覗き込んだ時、そこに映るものは何か。

怪談の根源を追求する、吉田悠軌の探索記、その最前線へ。

現代怪談に姿・形を変えながら綿々と現れ続ける
「赤い女」。そのルーツとは。現代人の恐怖の源泉を
見据えることで明らかになる「もう一つの現代史」。
赤い女の系譜を辿りつつ、その他重要な現代怪談の
トピックについても探索していく。

浮かび上がる「ミッシングリンク」とは。

【目次項目】
・怪談の深層に眠るもの:「子殺し」怪談 secition1
1:イタリア公園へ
2:こんな晩
3:ザシキワラシ
[現代怪談の最前線]:歩く死体を追いかけろ!
・怪談の深層に眠るもの:「子殺し」怪談 section2
4:現代怪談の幕開け
5:夕焼けの人さらい
付1:赤い女前史
6:口裂けの系譜
[現代怪談の最前線]:牛の首
・怪談の深層に眠るもの:「子殺し」怪談 section3
7:子殺しの罪と罰――コインロッカーベイビーとしての「コトリバコ」
8:欠損する下半身の意味するもの――カシマさん
[現代怪談の最前線]:人面犬
・怪談の深層に眠るもの:「子殺し」怪談 section4
9:「大流行」以前の口裂け女
10:変容する口裂け女
11:潜伏するカシマ・ウイルス
付2:テケテケ
[現代怪談の最前線]:岐阜ポルターガイスト団地
・怪談の深層に眠るもの:「子殺し」怪談 section5
12:「感染」を拡大させる赤い女――アクサラ、泉の広場の赤い女
13:「白い女」の系譜――サチコ、ひきこさん、八尺様
14:産みなおし、生まれ返りを希求する存在たち
付3:MOMOチャレンジ
[現代怪談の最前線]:樹海村
・怪談の深層に眠るもの:「子殺し」怪談 section6
15:なぜ多くの人々が「赤い服を着た大きな女」を見てしまうのか?
16:怪談とはなにか、恐怖とはなにかを探ること

おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

73
怪談に関する考証はたまに出版されるが、どれもが非常に読んで魅力的なものばかり。本書もそれに連なる一冊で読んでいる間中満足感を覚えました。「子殺し」をテーマにそれに連なる「母」「赤い女」を追っていくという内容なのだが、それがそのままカシマさん、口裂け女から八尺様という女性を巡る怪談史になっているのが興味深い。それがそのまま都市伝説からネットロア、実話怪談に移り変わるまでの軌跡をも描いていて怪談好きには堪らない構成。個人的には怪談の考証でありながら、あの時代を思い出すノスタルジアに満ちた一冊でもあった。2022/02/09

へくとぱすかる

67
怪談研究の中に著者の思いを開陳しようと試みたエッセイ。「口裂け女」の「出現」が、定説より早かったというのは新発見。70年代のオカルトブームについて、実は超常現象を科学的に説明できるかもしれないという、期待の盛り上がりとしてとらえている点に首肯できるものがある。本書に取り上げられた事象について、現実にはなかったとのスタンスを保ちながらも、恐怖心を生み出し、尾ひれをつけて成長させていったクチコミ・ウワサなどの力について、著者は恐ろしいものと考えているようである。「と学会本」とはちがったアプローチが興味深い。2022/08/17

ヒデキ

42
実話怪談の歴史を「子殺し」をメインテーマに解説した一冊です。ネット時代のためか、参考文献が、書籍だけでなくネット記事も入っていたのが、印象的でした。2022/02/23

ばんだねいっぺい

33
怪異は、ドーナツの輪の空白に投影される悪魔の証明的なものなんだろうか。そうすると、言霊というのは、そういう意味なんだろう。あえて、怒らせるための供物の発想はなかった。いろいろと考えていたことに示唆を与えてくれた素晴らしい一冊。2022/08/22

kei-zu

24
ネットや噂話で広まる現代の「怪談」を紐解く。 「子殺し」が怪談の深層にあるという著者の指摘は興味深い。41人もの「貰い子殺し」を背景とする目黒川そばの西郷山の怪談において、実際の殺害者である男性が女性に転化されたという。 「口裂け女」は有名だが、化け物だから怖いのか人間だから怖いのか。 怪談話を追いかけたところ、著者の過去の住居に縁がつながり、「追いかけてきた」とゾッとするくだりなど、非合理的ながら(であるからこそ)怪談の趣きがある。2022/04/24

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