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内容説明
『養生訓』がベストセラーとなるなど、養生文化隆盛のなかで生まれた江戸の小石川養生所。テレビドラマや小説では、献身的に患者と向き合う医師の姿が描かれる。しかし、約百五十年にわたる活動記録を丹念にたどると、それとはほど遠い実態が浮かび上がる。投薬をしぶる医師たち。患者からあの手この手で金を巻き上げようとする看病人。所内で堂々と営まれる博打や高利貸し……。赤ひげ先生はどこにいたのか? 幕府を悩ませ続けた看護・介護問題の困難さは現代医学が抱える諸問題に通底する。気鋭の江戸都市史研究家が斬り込む、お江戸の病院事情。 [目次より]プロローグ――江戸の養生/第一章 大都会・江戸の医療事情/第二章 町奉行大岡忠相と小石川養生所/第三章 養生所の入所生活/第四章 寛政の医療改革――養生所と医学館・町会所/第五章 養生所の病巣――劣悪な療養環境/第六章 養生所改革の挫折/エピローグ――養生所の遺産
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おMP夫人
7
再読。江戸中期から明治初期まで、現在の小石川植物園に存在した(この本を読むまで小石川後楽園にあったのだと勘違いしていたのは内緒です)小石川養生所の誕生前夜から終焉までが、やや硬派に解説されています。時代劇ではおなじみの施設ですが、何かと誇張されたり適当に扱われる事も多い養生所。この本でその実態を知れば、いい加減な設定にツッコミを入れる楽しみや、意外と実情を忠実に再現している事を発見する喜びが生まれると思いますので、時代劇を好む方は読んでみる価値があるでしょう。江戸時代の生活を美化しない姿勢も好ましいです。2012/11/22
ジュリ
1
小石川養生所が登場する小説を読んで、養生所に興味を持って読んでみました。 養生所の環境は悪く、看護する人の虐待などもありひどい状態だったようです。当初は入所者が多くいたけど、次第に定員割れするように。ひどさがうかがえます。2014/11/17
rbyawa
0
g079、暴れん坊将軍としてドラマが作られるくらい逸話がある徳川将軍8代吉宗の時代に、わりと鳴り物入りで作られた小石川養生所。貧民救済のための無料診療所。酷い酷いと言われていたので無料の施設であるし計画が頓挫したのか、と思ったらば中間搾取が酷くなりすぎて人が逃げていたので確かに酷い展開ではあるものの、似たような機能はすでに他所にも存在するようになっていたので、まあまあ、役目は果たしたとも言えるのかな。江戸時代の医療環境の変遷についても薄っすらわかる緻密な内容で、こちらについては想像よりも整っていたかなぁ。2016/08/22
海辻
0
高い理念の下に設置された養生所の光と影。時間と共に腐敗する内部、知恵を絞って貧者を救済するという機能を取り戻そうとする心ある幕閣。難しいテーマながら丁寧に説明されているので、読みやすかったです。(友)2009/09/20
amabiko
0
江戸の養生所、設立時の理念は高邁だが後に定員割れ。スタッフの腐敗、入所手続きの問題、そして入所を躊躇わせる心理、さまざまな要因から決して成功したわけではなかった。2024/02/24
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