内容説明
生きること、生き残ること、それが、わたしたちに課せられた人生の目的です。わたしたちばかりではありません。およそこの世に生きるもの、すべての目的は、「生存する」ことにあります。
わたしたちは、基本的には、ひとりでも生き残れるようにプログラムされていますが、ふたりなら、生き残れる確率は、もっと高くなるはずです。ところが、現実には、ふたりでいることによって、ひとりでいるよりもずっと悪い結果が生じることがよくあります。
そうしてみると、他の人といっしょにうまくやっていける、つまり、自分も相手も、我慢したり無理したりしないでいっしょにいられるとしたら、それが成熟した人間であることの証明になるのではないでしょうか。
ひとりよりふたり。それは、そのことばのもつイメージほどロマンティックなものでも心穏やかなものでもありません。ひょっとしたら、ふたりでいるよりひとりでいるほうがずっと楽だと感じる時間の方が長いのかもしれない。
けれども、ときとして、それを体験しない人には決して想像すらできないほどの喜びがそこにあり、それは、たとえつかの間のことだったとしても、ふたりでいることから訪れる悲しみやいたみ、怒りや嫌悪の経験を、十分に補って余りあります。
互いの領域を侵さないという暗黙の了解のもとに群れ合うのと、誰かとほんとうにいっしょにいることとはまったく異なる体験です。群れるのも悪くはありませんが、やはりときどき、自分が孤独ではないこと、誰かとつながっていることを思い出していただきたいと思うのです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
匠
76
中学時代の入院中、主治医と大口論した時「悪かったな」ってくれた本。あっという間に読めてしまうけれど、何でも一人で背負って一人で悩んで、誰にも頼ろうとしなかった当時の僕には、心にチクチク刺さったり、張り詰めていたものが緩んだりした言葉の数々があった。「自分で自分の背中はさすれないように、自分で自分がどう見えているかについては、なかなかわからない。ふたりでいるからわかること。」「ひとりでいるのもいいものです。でもそれは、ふたりでいられる人のセリフです。」そんな言葉が今も思い出とともにずっと心に残っている。2013/04/27
真香@ゆるゆるペース
46
個人として自立しつつ、パートナーと上手に関わっていくヒントをくれる本。シンプルなのに、ハッとさせられる深い言葉の数々。ひとりでいるのもいいものだけど、やっぱり誰かいてくれる方がいいなって思う。2019/05/01
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