ウィングス・ノヴェル<br> 招かれざる客~黒の大正花暦~

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ウィングス・ノヴェル
招かれざる客~黒の大正花暦~

  • ISBN:9784403542343

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内容説明

大正時代・帝都。新富町で歯科医院を開く花守啓介は、治療で使う道具を追究するうちにある鍛冶職人の作品に興味を持つようになる。人づてに頼んで向島の指物師が持つ十本組のノミを見せてもらうが、その名品が忽然と消えた時、花守が犯人と疑われてしまった。現場を調査したのは、農商務省の嘱託・白菊芳史。彼は人の悪意を養分にする“異客”と呼ばれる寄生植物の対応に当たっていて……? 明朗快活な好漢と人を寄せ付けない美貌の男の出会いから始まる、謎めく植物をめぐる探偵譚。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

RIN

20
異国から持ち込まれた人の悪意を養分とする寄生植物。まるで御伽噺のように毒々しくも儚い物語。謎多き植物を巡る冒険譚は、明朗快活な初夏を思わせる青年・花守と孤独に咲き誇る大輪の花の如き美貌の青年・白菊、二人の出会いから始まる。異客と呼ばれるその植物が何であるかは明かされず、人の愚かさとやるせなさが薄雲となってこの世界を覆う。薄汚い欲望も泥水を啜る絶望もなく、あるのは綺麗な苦しみ。それでもその悲しみは貴方のための本物だから、花守はもう一生白菊を独りにはしない。お互いを想う二人は隣り合わせ。芽吹く緑の中にいる。2023/09/26

きょん

18
どんな植物も枯らす事のできる「黒い手」を持つ白菊と高いコミニケーション能力を持つ歯科医花守の異客を巡る探偵譚。この作家さんらしい愛情とも友情ともつかないバディ感と人の悪意を糧にする異客のダークなイメージが意外といいバランス。コミカライズされているようですが、続編出るのかな?2022/01/24

ときわ

9
大正時代が背景のバディ物。二人の心が結ばれる過程があっさりしていて、もう少し葛藤が欲しいなと思っていたら。あらら、もう一組!しかも結構暗い。そっちの方が好みでした。作者さんもそれを狙って登場させたのかも。2024/01/31

てみさま

6
白菊の微笑みが咲き誇る大輪の白菊に見えた花守と、花守が何かを支えるように咲く大きな菊の花に似ていると言う白菊と。つまりは、そういうこと。最後の西脇と北芝の話は少し切なくて。好きなバディものなので、続きが欲しいな。2024/03/29

☆こびとのくつや

6
美貌の青年と、そのバディがなんやかんやで謎を解くという、この作家さんらしい作風で好き。ただ想像をたくましくヤキモキさせるだけで、いつも期待通りの『ソレ以上』の進展が無いんだよな~。もっと来いや!2021/12/28

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