岩波現代文庫<br> 負け組のメディア史 - 天下無敵 野依秀市伝

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岩波現代文庫
負け組のメディア史 - 天下無敵 野依秀市伝

  • 著者名:佐藤卓己
  • 価格 ¥1,738(本体¥1,580)
  • 岩波書店(2022/01発売)
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  • ISBN:9784006033293

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内容説明

明治末期から戦後にかけて,数々の雑誌・新聞を率い「言論界の暴れん坊」の異名をとった男,野依秀市.同時代では右翼ジャーナリストとして知られた彼ほど,大衆の感情,「世論」を体現した者はいなかった.今や忘れられた桁外れの鬼才の生き様と,大手メディアとは異なる「負け組」の視点でのメディア史を描く.

目次

目次┴表紙┴扉┴本著作物について┴凡例┴目次┴序章 元祖「メディア人間」┴野依秀市という謎┴右翼ジャーナリストなのかメディア人間の誕生┴近代日本の野依イズム┴第一章 野依式ジャーナリズムの原点┴元祖ブラックジャーナリズム?┴雑誌経営者を量産した「野依学校」 宣伝文書『赤裸々記』┴福沢諭吉に憧れた悪童┴立身出世への挑戦┴『三田商業界』と石山賢吉┴「の」の字の四尺八寸生┴「言論ギャング」の誕生?┴メディア人間がつけた偽悪の仮面┴第二章 「広告取り東洋一」の実業雑誌┴純粋メディアの青年期┴『三田商業界』躍進と野依追放劇┴日本新聞社広告主任から隆文館編集主幹へ┴「実業王」渋沢栄一を動かす┴三田「無学生」の大隈利用┴押川春浪と「日本青年党」結成┴第三章 喧嘩ジャーナリズムの筆誅録┴「在野の哲人」雪嶺の活動的分身┴交詢社入会問題と波多野征伐┴大隈重信への絶縁状┴東京電燈への出刃包丁┴「赤新聞」の系譜と「売文社」グループ┴「愚人」の敵・新渡戸稲造┴『実業之日本』批判としての新渡戸攻撃┴「青年の敵」への下半身攻撃┴「教養紳士」に対するイデオロギー闘争┴第四章 「大正巌窟王」の闘い┴「白昼公然強盗」の入獄記念号┴「野依社長出獄新活動記念号」の挑戦┴監獄は人生の大学である┴エフィシェンシー・輿論調査・選挙応援┴与太大王・安成貞雄の奮迅┴『近代思想』の「表4」と大杉栄┴国家主義者の大正デモクラシー┴『探偵雑誌』と裁判対策┴第五章 『世の中』と『女の世界』の新機軸┴大正の生き方雑誌『世の中』┴男が読む『女の世界』┴メディア・イベントとしての求婚広告┴「古風な女」か「新しい女」か┴実業派vs.社会主義派の路線対立┴煩悶引受所所長・青柳有美の退陣┴『女の世界』の遺産┴第六章 仏教プロパガンディストの信仰縦横録┴獄中四年の告白┴国家社会主義者・尾崎士郎の当惑┴仏教宣伝と科学的管理法┴大日本真宗宣伝協会と『真宗の世界』┴「本願寺焼討論」と「親鸞といふ奴」┴全国水平社への謝罪広告┴原理日本社グループとの対決┴『真宗婦人』と『ルンビニ』┴第七章 護憲派ジャーナリストの有田ドラッグ征伐┴忘れられた言論人の政治的記念碑┴「原内閣擁護論」パンフ五〇万部┴大正デモクラシーの日本改革私案┴第二次護憲運動と政友会入党┴度肝を抜くメディア選挙┴「理想選挙」の敗北┴「排日問題を憤慨するは愚」┴「広告魔王」有田音松の闇┴有田征伐への迂回戦略┴欧米外遊とチタ刑務所┴売薬と雑誌の紙面戦争┴第八章 「代議士」野依秀市の誕生┴『実業之世界』の大衆化┴普通選挙法の陥穽──一九二八年選挙┴野依ジャーナリズムの転向?┴新聞権力への挑戦┴実録「野依派大選挙違反」事件┴変装して逃亡、有馬温泉で逮捕┴「皇室社会主義者」宣言┴地方紙『大分日日新聞』┴われ勝てり──一九三二年選挙┴「議席を持つ言論人」のアポリア┴第九章 「貧強新聞」奮戦記┴『帝都日日新聞』創刊!┴「新聞と戦う新聞」の天下無敵┴「積悪の雑誌王」野間征伐┴広告代理店の暗躍?┴言論ギャング・野依秀市の正体┴転向左翼の梁山泊┴検察ファッショの生贄?┴善戦楽闘する「怪物」┴第一〇章 筆は剣よりも強し┴「輿論の世論化」の先駆け┴満州事変から社会改革へ┴五・一五事件で「軍部を衝く」┴野依拉致未遂事件┴天皇機関説事件で美濃部支持┴二・二六事件での「朝日を護れ」┴横綱は双葉山、宰相は近衛公┴東亜再建座談会──鈴木庫三登場┴「打倒英国! 日本参戦座談会」┴第一一章 総力戦体制下の「反体制」言論┴炎上する浅間丸事件┴開戦世論の先導=煽動者┴発禁で売れた「普通新聞紙」┴新聞雑誌統合のサバイバル戦略┴『東京毎日新聞』を吸収した「貧強新聞」┴来たるべき日と勝つべき相手┴勝った戦争と負けた選挙┴横浜事件と抵抗の逆説┴航空イベント「米本土空襲」┴第一二章 敗戦者の勝利┴反東条運動のメディア┴「日本的民主主義者」の戦前─戦後┴野依の「改正憲法」理解┴公職追放令のG項該当者┴還暦青年の夢┴日本再建仏教講演時代┴夢に昭和天皇と語る┴ガラパゴス的進化の個人ジャーナリズム┴第一三章 広告媒体か、モラル装置か┴再建日本同志会┴保守合同の立役者┴現職国会議員の指名手配┴「筒井社長 野依会長」体制┴甦った『帝都日日新聞』┴「風流夢譚」事件の告発者┴紀元節復活法制化運動┴メディア人間の夢の跡┴野依秀市(秀一)メディア年譜┴文献目録┴あとがき┴岩波現代文庫版あとがき解説 明治生まれの「メディア青年」?……平山 昇┴著者略歴┴奥付

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

軍縮地球市民shinshin

13
本文だけで436頁とかなりボリュームなので読破するのに時間がかかった。明治・大正・昭和と「炎上商法」で一世を風靡したジャーナリスト・出版人野依秀市の生涯。戦後は「右翼」とみなされがちだが、幸徳秋水や大杉栄、荒畑寒村などの共産主義者・社会主義者と密接な付き合いがあり、戦時下は「東条内閣打倒」の論陣を張り、戦後は「紀元節復活」などの運動も携わり、1955年に自民党誕生にも資金面で裏工作をしたという人物である。金銭関係、恐喝容疑で何度も官憲から逮捕されているが、私生活は借金だらけで私財というものはほとんどなかっ2023/10/17

石橋

0
講談社野間清治の本を立て続けに読んだので、当然こちらに。今で言うところの炎上商法の先駆け的存在。とにかく敵を作って攻撃しまくることで自己実現をはかるのも、昨今の有名人と同じだ。2022/10/08

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