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内容説明
「私も都心で暮らしていたころは、過疎地域の活性化は正論だと考えていた。そうした思い込みのようなものが、過疎地域での暮らしを通して少しずつ変わっていった。なぜなら、そこには変わらないことを望む人びとの姿があった。何一つ変わることなく、どこにも飛び立たず、廃れ、寂れ、衰えていくことを望む人びとの姿があった」(本文より)過疎地域在住12年の著者が調査をもとに過疎地域の“本音と建前”を鋭く描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
60
N図書館。著者が専門家ではないのが、逆に胸のつかえが下りる感じになってよかった。過疎地の保守性と閉鎖性(140頁)。図表13。異質なモノは排除。私も、某爺に言われましたがね。2年前かな。過疎地の視点は、競争が嫌だ。都心からは、窮屈感、閉鎖性(107頁)。いずれにしても、このレベルでは、地域経営には程遠い。でも、多くは、こういうことだと思うな。2022/04/13
tamami
58
副題が本書の主張の全てと言っても良い。東京近郊で生まれた著者は、小学5年の時から鹿児島県の過疎地域で過ごし、高卒後渡米、関東圏で暮らすことを経て、再び過疎地域で暮らしている。第一部は、過疎地域批判と題し、地域が抱える課題・問題事例が示され、過疎地域で暮らす著者が感じた違和感や、現状維持というゆるやかな後退に甘んじる人々の姿が活写される。過疎地域分析と題された第二部では、実感田舎暮らし、とでも言うべき過疎地域の生活と、行政の対応の現状が語られる。そこには、単に補助金等を投下すれば活性化するといった認識からは2022/01/21
道楽モン
53
町興しという名目で過疎地が推奨する若者向けのIターン農業。地方自治体主導による地域活性化政策のひとつであるが、これもまた国庫からの地方交付金を見込んだ既得権益のひとつであることが詳細に記述されている。そもそも地方公務員や農協、地方銀行以外の有効な就職先もなく、相互監視にも近い住民同士のしがらみ、休耕を余儀なくされる田圃など、地元民のUターンすら滅多にない過疎地に、都会から若者が来て定住する訳が無い。成果を期待しない公共事業の典型。何より、テレビだけが文化という地方生活に、希望も未来も活性化も有り得ない。2025/03/23
niisun
26
著者の論における“田舎”とは“都市から遠くはなれた過疎地域”。私は著者の言うところの“都市に近い過疎地域”の出身ですが、田舎の社会システムや金回りなどのネガティブな側面にはほぼ同意できるし、“過疎地域に活性化など必要ない”という意見にも賛成です。また、そこに暮らさないとその地域の研究は出来ないという発想も、文化人類学専攻ということなので確かにそうだろう。ただ、データの取り方やヒアリングなどの調査方法とその結果(一部しかわからないですが)をみると、これで良く新書として出版したなぁ~というのが率直な感想です。2022/08/31
まぶぜたろう
21
前半は著者の体験に基づく田舎への悪口、後半はもっともらしい資料を並べた田舎への悪口。反論しようにも「それは県庁所在地の話」とゴールポストが遠ざかる。わずか数名へのバイアスのかかったインタビュー調査や、職を転々としてるとしか思えない「フィールドワーク」が胡散臭い。しかも最後に著者は「私も同じような”いやらしさ"を持っていた」と逃げ道をつくる。恨みでもあんのかくらい悪口言っといて、今さらそりゃねーだろ。社会的価値のないトンデモ本だし、出版されたのが不思議なくらいだが、田舎悪口は楽しめる。実は私も楽しんだ。2025/03/28
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