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内容説明
「考え抜く力」は哲学の基本スキルであり、これからの時代に欠かせないビジネススキルでもある。そして、考え抜くためには「結論が出ない苦しみに辛抱強く耐える」能力が必要だ。本書の目的は、十九世紀ドイツの大哲学者・ヘーゲルの思考を通じ、真に新たな価値を創造できる、人生一〇〇年時代の「社会人基礎力」を身につけていただくことである。新進気鋭のヘーゲル研究者が二十一世紀のビジネスパーソンに贈る、実践的哲学新書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
venturingbeyond
38
新進気鋭のヘーゲル・プロパーの手による素人のためのヘーゲル入門。晦渋で難解なヘーゲルの思考の要点を、「生き方」・「学問」・「存在」・「本質」・「認識」・「歴史」の6つの切り口で、平明に解説。想定される読者へ向けて、詳細な論証の過程の叙述を回避し、ヘーゲルの思考スタイルの特徴を示すのに専念しているため、論旨自体を理解するのは難しくないが、哲学を扱う著作でロジックを追う部分が割愛され過ぎているところに物足りなさも感じてしまう。この部分のボリュームを増やしたら…というのは、無い物ねだりだろうか。2022/04/13
めんつゆ
23
全編通して「絶対の真実は無いはずだから(一緒に)考え続けよう」という、素敵な読書体験だった。特に第六章の「歴史」についての内容はほんとそうだよなあと。まあ意識的・無意識に関わらず人は色々な人の影響を受けながら(その快・不快に関わらず)行動しているものだとは思う。辿っていくと私も過去現在の無数の人たちの影響の連鎖を受けてここに立っているのかもしれない(普遍性はあって当然か)。そういう意味では今生きている私たちは現時点で人類史の集大成であり得るか。…今はまだここまでか2022/03/10
パット長月
17
帯に「これからのビジネスに必要なのは哲学だ」なんてあって、いかにも胡散臭いが、入門書をかじった異分野ライターによるやっつけ仕事の類ではなく、ヘーゲル哲学の研究家による、ちゃんとしたヘーゲル哲学の解説書である。ただし入門的知識は最小限に抑え「ヘーゲルの気持ち」を知るための背景とごく限定された項目を、ビジネスや時事的な具体例を挙げて丁寧に説明している。おかげでヘーゲルの本来の思考が、現実離れのエキセントリックなものではなく、むしろ飛躍を嫌う現実的なものらしいことがわかった。著者のより本格的な入門書を期待する。2022/10/02
mikio
10
アウフヘーベンといえば小池百合子の発言を思い浮かべた人も、という筆者の言葉に、あまりに図星で恥ずかしくなる程度の知識しかもたないが、A案とB案から折衷案を作るような思考ではなく、いつまでもA案とB案の間で悩み続けるような思考であると知った。何かを洗練させて、その過程でいらないものは捨てることであると。 ヘーゲルの存在論、認識論を中心に、結論が出ない苦しみに辛抱強く耐え、考え抜くことの大切さを説く。ヘーゲル哲学超入門書でわかりやすかったです。2025/11/03
MIHO
7
普段読まないタイプの本を読むって 普段使わない脳の部分が刺激される感じがする。「『スッキリしない思考』を放棄しないことこそ、考え抜くということだ。」2023/06/02
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