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内容説明
ひろしま修学旅行で「被爆建物」を訪れた14歳のものがたり。『ワタシゴト』待望の続編として、先生の視点、軍事都市=加害者としての広島の視点も織り交ぜながら、「被爆体験を継承すること」の課題に、より深く切りこんだ作品です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
80
児童書。YA。修学旅行で広島を訪れた中学生の話。前巻は弁当箱やワンピース等、資料館におさめられたものをテーマにしていたが、今回は「被爆建物」テーマ[もと呉服店]不登校男子は着物で修学旅行参加[もと防空作戦室]語り部さんを怒らせて話を聞けなかった後悔がある先生。南方特別留学生、興南寮跡[もと陸軍被服支廠倉庫]母親が精神不安定で悩む女子。ウサギの軍需利用にショックを受ける。赤レンガの壁が語る過去▽「場の持つ力」の大きさを感じる。前巻から1年経って次の学年になってる。良本2022/03/13
chimako
69
《大人の社会科見学事前学習》来週末から広島へ行く予定を立てている。お好み焼きも厳島神社ももちろん目的の一つではあるが、高校の修学旅行以降一度も訪ねなかった場所を大人として訪ねてみたいと突然思いたち計画をたてた。『ワタシゴト』の続編は場所がテーマ。ガイドブックにも載っていない、本を読まなければ知らなかった場所。そこには外国からの留学生もいた。原爆の犠牲になったのは広島の人たちのばかりではなかった。戦争を始めたのが一番悪いが原子爆弾を落とすのはどう考えても非だと改めて思う。ドームは宿泊地から近い。2024/02/01
ムーミン
28
読みやすくてあっという間に読み終わりました。思いを語り継ぐことの意味、読みながら一緒に感じました。2021/08/08
白雪ちょこ
24
続編のテーマとなったものは、「建物」とその「場所」。 広島へ修学旅行に来た、それぞれ中学生達の心境や、家庭内環境なども交えられており、読みやすさもあった。 戦争当時の生々しさ、痛み、苦しみなどもわかりやすく伝わり、特に壁が語っているシーンに至っては、眉根を寄せるほどの胸の苦しさがあった。 最終話に至っては、福島原発なども描かれていたため、日本人特有の「差別」や「平等」といった描写も描かれていた。 昔の痛々しい歴史があるからこそ、今の私達がある。 これは、今の子供達にも教えなければならない。2023/12/11
ヒラP@ehon.gohon
22
修学旅行で広島を訪れ、原爆の学習をする生徒たちの姿を描いています。 80年近くが過ぎ、現代の若者には意識しづらい距離感を感じつつ、事前学習とその地に立つことの重要さを感じました。 遺構というものは、歴史とその時の空気感を伝えるために存在し続けるのでしょう。 実際の語り部にも、取材を重ねた、単なる幻想フィクションではない重さがありました。2023/09/16