国民食の履歴書 - カレー、マヨネーズ、ソース、餃子、肉じゃが

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国民食の履歴書 - カレー、マヨネーズ、ソース、餃子、肉じゃが

  • 著者名:魚柄仁之助
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 青弓社(2022/01発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784787220875

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内容説明

子どもも大人も大好物のカレーのとろみがついたルーは、インド本場のサラッとした汁カレーがどうやって変わってできあがったのか。
イギリス・ウスター生まれのソース、フランス伝来のマヨネーズも、どんなルートをたどって現在の「和風調味料」に変身したのか。

中国大陸から渡ってきた餃子が「日本各地の餃子」に変身する過程を解明し、「おふくろの味」「手料理」神話の代表=肉じゃがの「戦前から食卓にのぼっていた」イメージを実証的にくつがえす。「肉じゃが」が初めて雑誌に登場したのは、敗戦後の1950年、しかもレシピではなく街レポでの紹介だったのだ!

「食の鑑識家」が明治の文明開化から現在までの家庭雑誌・料理雑誌を徹底的に渉猟してレシピどおりに実作して、食べて、経験豊かな舌で味を分析する。そして、通説とされている輸入史・生育歴に疑問やときにはダメ出しを加える。
鑑識ぶりも、徹頭徹尾、実証主義。「カレー、餃子、肉じゃがの国民食トリオ」が生まれ育った歴史を知る格好の食文化論。

目次

まえがき
第1章 日本のカレー
 1 洋食調味料「御三家」と日本人
   仁義なき日本のカレー・無手勝流
 2 鮑のカレー
 3 まずは漆椀のカレー、和食だけに……
   カレー煮
   カレー椀
 4 油揚げライスカレー
 5 身欠きニシンカレー
 6 蓮根カレー
 7 魚の骨のカレー
 8 里芋と竹輪のカレー餡
 9 カレー粉入り味噌汁
 10 牛肉のカレー味噌焼き
 11 生節のカレーライス
 12 王者エスビーが放つ絶対的ニッポンカレー
 13 ひもかわのカレーチャプスイ
 14 カレーロークス・コロッケ

第2章 日本のマヨネーズ
 1 和食のなかのマヨネーズ
   マヨネーズの規格ができるまで
 2 敗戦後の規格外マヨネーズたち
   大豆粉マヨネーズ
   粉ミルクマヨネーズ
   片栗粉マヨネーズ
   小麦粉マヨネーズ
   馬鈴薯マヨネーズ
   油なしマヨネーズ
   全卵使用のマヨネーズ
   規格外マヨネーズのまとめ
 3 マイナイソースと呼ばれていた頃の初期マヨネーズ
   築地精養軒のマヨネーズ
   村井弦斎夫人のマイナイソース
   板垣伯爵夫人が主宰の料理講習会で教えたマイナイソース
   東伏見宮妃殿下のマヨネーズ
   満蒙開拓団女子訓練所で教えるマヨネーズ
   「酢油ソース」と呼ばれたマヨネーズの作り方
   『軍隊調理法』に書かれたマヨネーズの作り方
 4 「わたし、失敗しないので」マヨネーズ
   スピード・マヨネーズ
   味噌マヨネーズ
   バターマヨネーズ
   二倍に増えるマヨネーズ
   「わたし、失敗しないので」マヨネーズのまとめ
 5 マヨネーズの広告集
   キューピー印マヨネーズの広告
   ダンス印マヨネーズソースの広告
   タマゴマヨネーズとスポーツマン印マヨネーズの広告
   メランジーの広告
   粉末鶏卵の広告
   「キューピーマヨネーズ」――節米とマヨネーズとの関係

第3章 日本のソース
 1 ニッポンのソース道
   日本のソースとは新?油のことだった
   和食はショーユで洋食はソースなのか?
   ウスターソースの定義
 2 醤油からソースを作る日本人
   終戦直後の家庭でできるソース作り
   調理の専門書でも「?油からソースを作る」とされていた
   女子大学の先生も?油からソースを作ると教えていた
   戦前にさかのぼってもソースのもとは?油だった
   醤油メーカーのソース製造
   専門書に見るウスターソース製造法
   何でも自家調達する軍隊のソース製造法
 3 ソースを使った和食の実例とその証拠となるレシピ
   洋食の日本化とウスターソースが「おソース」になった道のり
    (1)鶏の洗いをソースで食べる
    (2)馬鈴薯のソース漬け
    (3)ソースカツ丼
    (4)古沢庵のソース漬け
    (5)ご飯にソースをかけただけの料理
    (6)冷奴にウスターソース
    (7)鯖の昆布巻き蒸しにソースをかける
    (8)刺し身のグラビアページにソースの広告が……
    (9)支那の餃子をソースで食べる
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

90
日本のカレー、マヨネーズ、ソース、餃子、肉じゃがについて昔のレシピどおりに調理師その味から料理について言及。おかしなレシピも多々あり。身欠きにしんカレー、魚の骨のカレー、大豆粉マヨネーズ、味噌マヨネーズ、古沢庵のソース漬け他多数。ごはんにソースをかけただけというのはやったことあるがこれはなかなかいける。昔の広告なども載っており楽しめる一冊。料理好きな人はご一読を、図書館本2020/04/06

keroppi

85
カレー、マヨネーズ、ソース、餃子、肉じゃがという国民食と言える料理、調味料の生い立ちを探る。「主婦の友」「主婦と生活」等の婦人誌の記事から見える初期の料理が興味深い。材料がなければ他のもので代用するし、自分に馴染みのある料理と置き換えていくし。なかなかこの自由度と発想のたくましさには感激だ。肉じゃがが、そんなに古い料理じゃなく、「おふくろの味」というのもマスコミが作り上げたものだというのは驚いた。2020/07/09

さつき

68
カレー、マヨネーズ、ソース、餃子、肉じゃがはどれも食卓には欠かせないメニュー、調味料。その歴史を昔の料理本や広告などから発掘する内容でなかなか意外な面がありました。中でも印象的だったのは肉じゃがという言葉が一般的に使われたのは昭和50年ごろからということ。ずっと昔からある料理だと思っていたので、びっくり!!芋煮や芋の煮っ転がしなど原型となった料理の歴史は古いようですが、言葉自体は思ったより新しいのですね。カレーのレシピは蓮根や油揚げなど変わった食材を使ったものも多いが、どれも美味しそう。楽しく読みました。2023/08/31

アーちゃん

57
図書館本。貫禄のある装丁だけど発行は2020年1月。食文化研究家の著者が、表題の5種の料理の由来及び歴史を調べ、なんとレシピ通りに実際に作ってみるという内容。時代小説によく出てくる「八百善」が昭和まで営業していた事、しかもなぜかソースの章に出てくるのが面白い。またギョウザが大正時代には既に家庭料理としてあったのに、肉じゃが(のネーミング)がかなり最近であるというのにも驚きました。そういえばお肉を食べるようになったのが明治時代からだったし、納得と言えば納得。写真も楽しくて、ちょこ読みするのに最適な本でした。2020/04/23

あたびー

27
(図)みんな大好きなカレー。黄色いライスカレーを知らない世代も増えたでしょう。マヨネーズを驚きの方法で家でまねして作ろうとしたり、いわんやソースをや。醤油からソースを作ろうとしたなど!焼き餃子は戦後日本で出来たというのは当たらないらしい。肉じゃがの歴史は案外浅くて戦後もかなりたってから。など目からウロコのお話の数々でした。それにしても「売ってなければ作ればいいじゃないの」と言う家庭婦人の逞しさ。忘れたくないものです。2020/06/09

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