徳間文庫<br> 氏真、寂たり

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徳間文庫
氏真、寂たり

  • 著者名:秋山香乃【著】
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • 徳間書店(2022/01発売)
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  • ISBN:9784198947064

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内容説明

駿河の智将、今川義元の嫡男氏真は十七歳の若さで妻を迎えた。北条家の姫である志寿はわずか八歳。仲睦まじく穏やかな日々を過ごしていた。だが、桶狭間の戦いで留守将として駿府にとどまっていた氏真は、父の死と未曽有の敗退を知る。勝利方の織田信長と同盟を結んだ盟友徳川家康の裏切り、国人領主たちの離反。数々の試練を乗り越え、武田、北条、足利、織田、果ては豊臣の滅亡までを見届けた氏真。「戦国一の愚将」とされる氏真像を覆す歴史長篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

金吾

33
○氏真のイメージが変わる一冊であり、予想以上に面白かったです。本人も言ってますが、一生を振り返るといい人生になるのだなあと思いました。2023/09/04

みこ

22
再評価の進んでいる義元に比べてどうにも評価のしづらい今川氏真が本書の主人公である。結果、人物というのは光の当て方でこうも見方が変わるのかと感嘆させられた。確かに彼は戦国の世を生き抜くには弱かったかもしれない。それでも周りの大切なものを護るために懸命に戦い抜く姿に心から応援する気持ちを抑えられなかった。彼は決して産まれてくる時と場所を間違えたわけではない。2022/03/11

YONDA

17
氏真は暗愚で公卿かぶれのどうしようもない奴との印象であった。が、本作での氏真は暗愚でもなく剣術に秀でている武将である。だが、優しすぎる。一武将ならば何とかなるだろうが、人の上に立つ大名となるとこの優しさが足を引っ張る。でも、人を思う氏真の心根は嫌いではない、むしろ好きだ。信長や秀吉にうつけ呼ばわりされても、生を全うした氏真と志寿の夫婦に拍手。そして氏真を主役にした作者にも拍手。近年の研究でも、氏真はそこまで凡将ではなかったようだ。2022/08/22

スプリント

10
新しい氏真像。 武田信玄の容赦ない侵攻が印象に残る。2022/02/13

kawasaki

8
氏真主人公の長編小説。2019初刊(静岡新聞社)の2022文庫化。著者あとがきに曰く、近年の歴史研究の進展で自身の氏真イメージが一新されたところで実現した物語とのことで、本作の氏真は剣聖で戦場に血をたぎらせるという、多分これまで多くの小説で描かれた氏真の中でもかなり「戦国武将らしい」人物像。戦場描写も躍動的で魅力的。時代を見る聡明さも十分すぎるほどある氏真がなぜ「大名」として生きることを捨てたのかが物語の中心。このため剃髪後は駆け足気味であるが、氏真が選び取った人生を見せて佳い作品。解説は平山優氏。2023/05/16

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