連鎖犯

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連鎖犯

  • 著者名:生馬直樹
  • 価格 ¥1,925(本体¥1,750)
  • 光文社(2022/01発売)
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  • ポイント 510pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334914448

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内容説明

七年前に新潟市内で起きた誘拐事件。凛(中一)と翔(小六)の姉弟が連れ去られるも、二人は無事生還。しかし、過激発言が売りのコメンテーターが二人の母・尚子を批判したことから猛烈な「母親バッシング」が起こり、尚子は廃ビルで転落死してしまう。事件の真相が解決されぬまま月日は流れ、件のコメンテーターが他殺体で発見される。同じ頃、姉弟は引き取られた施設を退所し、置き手紙を残して姿を消していた……。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちょろこ

147
沈み込んでくる一冊。シングルマザーの子供達の誘拐事件。全てはここから始まった。無事に子供達は解放されたものの事件は未解決、謎も残るまま。そして次なる悲劇、時を経てからまた更なる関係者の事件が。果たして繋がりはあるのか…。たぶん…が、思いもよらぬ方向へと覆され、社会の深みを見せられ、完全に意表を突かれたミステリだった。この社会がもたらす貧困への現状を見つめる刑事の心情がそのまま読み手の心に深く沈み込んでくるのが印象的。憤りはもちろん、浅はかな考え、思い込み、これが絶えずこの物語全体に漂っていた気がする。2022/03/24

モルク

131
貧しい母子家庭の姉弟が誘拐され500万円要求される。親とも絶縁している母は身代金を用意する術がない。しかし、姉弟は何事もなく無事解放されるが、その後母はバッシングを受け廃ビルから飛び降りて亡くなる。事件は迷宮入りかと思われたが、7年後バッシングをしていたコメンテーターが殺されたことにより再び動き始める。貧困、様々なハラスメント、まわりの不理解が生んだ負の連鎖が彼らの人生を狂わす。まわりの大人がクズ過ぎる中、ネグレクト気味ではあったが確かに母は子供たちを愛していた。それがわかってよかった。2022/05/31

タイ子

118
ある日突然、姉弟が誘拐される。裕福とは言えないシングルマザーの元に男が身代金500万円を要求。誘拐された2人は完全に目隠し、監禁後突如開放される。が、TVで解説者が姉弟の母親を責め立て世間を巻き込み母親は自殺。7年後、そのコメンテーターが殺される事件が起きる。あの誘拐の目的は?母親の自殺、姉弟の行方は?謎が謎を呼ぶ。誘拐事件を担当した心優しき刑事の存在が頼もしい。社会的に貧しい者、弱者を自分の利益のため操ろうする卑怯な人間がいる。それは連鎖によって傲慢な者へと繋がる。伏線回収が見事。安堵感が広がるラスト。2022/03/21

ma-bo

95
七年前に起きた誘拐事件。姉弟は無事戻ってくるが、シングルマザーの母親が…様々な社会問題(一人親世帯の貧困、SNSによる被害者バッシング等)を絡めた作品。負の連鎖は事件に巻き込まれた姉弟だけではなかった。まさに加害者側にも連鎖があった。自分達で真相に辿りつこうとした姉弟が真実が分かった上で、前向きに進んで行こうとするラストが少しは救いか…2022/03/10

ゆみねこ

94
シングルマザーの子供たちが何者かに誘拐され、身代金500万円を要求された。2日後に二人は無事に開放されたが、犯人は逃げて事件は未解決に。その直後から起きた母親へのバッシング、母親の自殺…。7年の時を経てバッシングの中心となったコメンテーターの女が殺害され、ほぼ時を同じくして養護施設を退所し行方がわからなくなった元被害者の姉弟。まさに連鎖する犯罪と卑劣な犯人、ご当地新潟を舞台にした1冊、面白かった!2022/02/10

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