内容説明
コロナ禍で東京一極集中の是正が言われるが、事はそう単純ではない、と井上氏。私たちの東京への愛憎は複雑で、長尺の歴史から捉える必要がある。そう、京都から東京に天皇が移り住んだ時代から……。『京都ぎらい』の井上氏に対するのは、丹下健三の孫弟子に当たる建築家・青木氏。二度の東京五輪と大阪万博を中心に、古今東西の都市開発の功罪と、そのレガシーについて論じ合う。博覧強記の二人の話は、天皇、GHQ、ナチスといった歴史の縦軸から、北京、パリ、ローマ、ロンドン、コペンハーゲンといった地理的な横軸までを駆け回る。また黒川紀章らの建築家論や、ゴジラ、寅さん、小津映画等の話題もまじえ、「愛される建築とは何か?」「日本と西洋、どちらが自由なのか?」という文化論を掘り下げる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おいしゃん
23
堅い話にみえて、意外にとっつきやすい対談や往復書簡集であったが、結局フワフワと主張がよくわからない感もあり。あとは、全ての論点がコロナに基づいているので、何十年かすると当時のライフスタイルの変容を知れる材料になりそう。2022/12/17
紙狸
19
22年1月刊行。建築史出身の井上章一と建築家青木淳の本。二人をつないだ新聞でのリレーエッセイと、その後の対談などを収録。新型コロナ流行の中で、建築や社会を考え直し、コロナ禍がもたらした変化からプラス面もくみとろうとする。井上は、日本の町の建物が「エゴを発散」させてばらばらな形状であることを指摘。新型コロナへの対応を巡り、日本では私権制限が緩いことも挙げる。「日本だから花ひらいた自由というものも、どうやらありそうである」。パリ、東京、大阪を比較して、万博と五輪のレガシーを論じたくだりも面白かった。2022/01/15
キョートマン
11
やはり面白い部分は京都の文化を語った部分。それに対して、東京の部分はどこが「いけず」なのかがよく分からなかった。2022/04/03
テイネハイランド
8
図書館本。ベストセラー「京都嫌い」でも知られる井上氏(専門は建築史・意匠論)と現役の建築家との共著です。井上氏の最近の著書を読む限り、組織内でのポジションが上がるにつれて、すっかりその著書からはその切れ味というか研究者としての矜持が無くなっているように感じました。所長ともなると色々仕事が忙しいのですかね。元々井上氏の著書ってこんな感じでは?と反論されるとそうかもしれませんが。本書に関する限り炭酸が抜けたビールのようで人には推薦したくありません。対する青木氏の文章も論旨が少しわかりにくい箇所がありました。2022/04/24
Hiroki Nishizumi
3
うーん、いろいろごちゃごちゃ言ってるけど、あまり感じるものが無かった2023/04/14
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