内容説明
古典とはなにか。どのようにして選ばれ、伝えられてきたのか。ルネサンス以降に盛んになる古代ギリシア・ローマの古典の再生と受容、旧約聖書と各国史を結びつけて天地創造から世界の終末まで描こうとする普遍史や年代学、真作と偽作の問題、聖書やホメロスの叙事詩─古典テクスト解釈の歴史をたどり、人文学の誕生と伝統を明らかにする。
目次
bibliotheca hermetica 叢書の発刊によせて
序章 人文主義者たちを再考する
第一章 古代のテクストとルネサンスの読者たち
第二章 ポリツィアーノの新しい学問とその背景
第三章 捏造の伝統と伝統の捏造──ヴィテルボのアンニウス
第四章 スカリゲルの年代学──文献学、天文学、普遍史
第五章 新教徒vs預言者──カゾボンのヘルメス批判
第六章 ヘルメスとシビュラの奇妙な死
第七章 ルドルフ二世のプラハにおける人文主義と科学──背景からみたケプラー
第八章 ラ・ペイレールと旧約聖書
第九章 ヴォルフ序説──近代歴史主義の誕生
初出一覧と謝辞
インテレクチュアル・ヒストリーの新しい時代─解題にかえて[ヒロ・ヒライ]
訳者あとがき[福西亮輔]
文献一覧表
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ルートビッチ先輩
4
近代的な歴史主義がどのように生成されたかという問題においてテクストと解釈が如何なる役割を果たしたか。この解釈を担ったのが人文主義者と呼ばれる人々だったが、これはデカルトら著名な哲学者によって非難されていたため、価値を認められ難かった。しかし人文主義は決して空理空論ではなく社会的交通の中で活動していたし、科学もその方法を用いていた。そしてそれ故、科学と人文学という分断、様々な専門性に囚われない知のあり方のヒントが彼らの業績には存在する。2016/02/11
hryk
4
「ヨーロッパの学者はテクストをどう読んできたか」とまとめてしまうにはあまりにも複雑で錯綜した解釈の歴史を語る書。高密度で饒舌な文章から組み立てられており、達意の訳文ではあるが、決して読みやすくはない。各章の冒頭の訳者の要約がとても有用。ある概念や言葉に出会ったらそれが置かれた歴史や文脈を無視してはいけないよ、という、当然といえば当然の手法が実際に用いられるさまが体感できる。とにかくややこしい。2015/11/26
フクロウ
2
人文主義の系譜を辿る本。スカリゲル研究のためシカゴ大学からロンドン大学・モミリアーノのもとに弟子入りしたグラフトンは、ポリツィアーノから始めることを勧められた。ポリツィアーノによる逐語式注解方式の駆逐、ヴィテルボのアンニウスという偽作者にしてテクスト選択の一般則確立を経ていよいよスカリゲルに至る。天文学を年代特定に使うという発想。そしてもちろん文献学も。科学と文学に壁はない。そしてケプラー、ラ・ペイレールを経てヴォルフに至る。その先は描かれないが、そこからニーブール、サヴィニーと繋がる。圧倒的な知の地層。2019/04/18
三月うさぎ(兄)
1
八割がた理解できない(私に知識がないからで、文章が晦渋なわけではない)が、15世紀イタリアで始まる、テクストは書かれた時代の視点に忠実に読むべきなのか、それとも(読者の)現代の関心に従って新しい読みをすべきなのか、という、あーあー今もあるね、というところから始まって、100年余りのテクスト解釈の歴史を(多分凄まじい分野横断的な博識で)縦断し、18世紀の歴史主義まで続く長い長い物語。→2025/07/06
kaiinc
1
一見分かりやすい教科書的な近代の学問の歴史の中にある非直線的で複雑な裏道を、いくつかの人文学・文献学の人物に焦点を当てて示す本。現代の目から「近代的」に見える著作に、同時代あるいはそれ以前の知的環境に負っているところがどれほどあったか、そして彼らの著作は思ったより最近まで連綿と影響力を保っていたこと、またそうして当時の文脈にきちんと位置づけることでしか歴史の真の姿は見えてこないということを教えてくれる。デカルトやベイコンのプロパガンダに騙されてはいけない。2015/09/03
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