内容説明
「日本の15歳『読解力』15位に後退」など、読解力低下問題が世間を賑わせています。読解力が必要な場面は、国語は言うに及ばず、英語、数学、社会、理科、小説、エッセイ、論説文、新聞、マンガ、図解、グラフまで多岐に渡ります。AIに負けない本当の読解力は、メディアのジャンルを超え、学校、社会、家庭で、力強く「生きる力」を育ててくれます。
本書は「読むのが苦手」「読解力が大事って言われても……」と、ちょっと嫌そうな顔をしている中学生3人が、案内役の犬塚先生と共に、
「文字が読めれば読めたことになりますか?」
「「わかる」ということはどういうことですか?」
「たくさん本を読めば読解力は向上しますか?」
「マンガは読解力に役立ちますか?」
「図やグラフを読むのに読解力は必要ですか?」
といった疑問への答えを心理学の観点から探していきます。
本文はイラストレーター・松本セイジさんほか図版も充実。現役中・高生から、子供の読解力に関心のある保護者、読解力を身に付けたい社会人まで、わかりやすく読解力を学べる内容です。
目次
はじめに
I 「読む」とはどういうことか
第1章 読解力は必要か
“本”“文章”にも色々ある
読解力は必要か
第2章 なんで「読めない」の?
誰でも文字を読むことができる、と言えるか
文字が読めれば読める?
それでも分からないこともある―トップダウンの読解
第3章 暗記と理解はどう違う?
人の知識はどういうものか
人が憶える仕組み1 二重貯蔵庫モデル
人が憶える仕組み2 「まとめろ!」の巻
人が憶える仕組み3 「つなげろ!」の巻
記憶と読解力―言葉の知識の2つの重要性
第4章 忘れてしまうのはなぜ?
忘れる理由その1 転送失敗
忘れる理由その2 つながりがたどれない
忘れる理由その3 作り直し
忘れないためにはどうすればいい?
II 読解力を高めよう
第5章 読解力向上のためには「たくさん本を読む」しかないの?
読んで分かるための「頭の使い方」―読むための方略
方略マスターへの道―3つの壁を破る
第6章 マンガはやっぱりだめですか?
マンガ派vsマンガ否定派
「物語化」の功罪
視覚化の効果
トップダウンの処理とマンガ
第7章 図とかイラストを増やしてほしい?
図で分かりやすくなる?
図の分かりやすさの秘密
図の効果と副作用
マルチメディアも同じこと
第8章 読解力は一人で鍛えるモノ?
自分が分かっていないということが分かっているか―メタ認知
友達と読むことの良さ
方略を練習する仲間としての友達
III 「読む」だけが読解じゃない
第9章 書いてあることは本当?
本当かどうか考えながら読む「批判的読解」
批判的に読むための方略
第10章 先入観はなくせる?
先入観が理解を邪魔する
人間の考え方のクセ
第11章 主観は排して読まねばならない!?
ついつい気持ちが入ってしまう
直感を活かして考える
第12章 結局のところ読解力ってなに?
読むとはどういうことか
「読解力」をつける
読解力を高める
感想・レビュー
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ゲンキ
けんとまん1007
いっち
たまきら
ネロ




