内容説明
播磨の悪党の首魁には大きすぎる夢だった。おのが手で天下を決したい――楠木正成と出会った日から、大望が胸に宿った。軍資金を蓄え兵を鍛えて時を待ち、遂に兵を挙げた。目指すは京。倒幕を掲げた播磨の義軍は一路六波羅へと攻め上る。寡兵を率いて敗北を知らず、建武騒乱の行方を決した赤松円心則村の生涯を通じ人の生き方を問う感動巨篇。
第一章 遠い時
第二章 意 地
第三章 妖霊星
第四章 決 起
第五章 原野の風
第六章 遠き六波羅
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポチ
49
赤松円心の名はなんとなく聞いた事があるが、楠木正成、足利尊氏などと共に鎌倉幕府滅亡に関わっていたのですね。悪党といわれる漢の生き様がいいですね。後半も楽しみです。2022/10/29
KEI
38
南北朝時代の赤松円心を主人公とした歴史小説。トータルの感想は下巻で。なかなか馴染みのない時代と主人公を取り上げた作者の意気込みを感じます。後の中国を舞台にした小説のがイキイキしてるかな。2024/09/26
マツユキ
15
漫画の影響で、この時代の小説に興味があります。主人公の赤松円心については知識がなかったのですが、イメージしづらかった悪党が生き生きと描かれていて、『太平記』の裏の話のようで、面白かったです。時を見つつ、誰にも頼らず生きる男たちがかっこいいですが、揺れ動く若い世代にも惹かれます。下巻からは、ついに足利尊氏が動き出すようで、楽しみですが、なんだか読みのに時間がかかるのですが、早めに読み終わりたいです。2022/11/17
フク
13
#読了 播磨の悪党、赤松円心から見た倒幕。 やらかした弟を迎えに来る兄はよく記憶にある。大塔宮が生き生きと描かれていて好き。 kindle再読2023/02/10
ペペロニ
9
鎌倉幕府倒幕の機運が高まっていく頃、播磨の悪党・赤松円心が倒幕の挙兵を決めてからの快進撃を描く上巻。楠木正成や大塔宮など時代を駆けた人物たちとの関わり合いの中で、北方謙三流の悪党像をハードボイルド文体で語られる。円心だけでなく、様々な男たちのかっこいい生き様を味わえる。2023/05/27