内容説明
尾身分科会会長、田村前厚労大臣らコロナ対策を指揮した中心人物との生々しいやり取りであぶり出されるコロナ禍の真実。日本中が未曾有の災禍に見舞われたあの時、誰が、どう動いたのか!? この国の矛盾と歪みに直面した著者が、また訪れる危機のために何としても書き残しておきたかった「秘められた闘い」の700日!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミライ
40
「コロナの女王」こと岡田晴恵さんが、2020年~2021年にかけて行われた日本のコロナ対策の舞台裏を描いた告白手記。中国武漢で新型コロナが発生するところからスタートして、東京オリンピック開催くらいまでの期間の日本政府、厚労省、分科会などのメンバーとの生々しいやり取りが描かれており、かなりボリュームがあり(384P)、一冊のノンフィクション小説としても読める作品。ここまで書いちゃっていいの?といった内容もあり、日本の行った新型コロナ対策の是非を考える上で貴重な資料となると思う。2022/02/12
Nobu A
13
岡田晴恵著書初読。運転中に聴いていたラジオで宣伝されていたのがきっかけ。以前はメディアに引っ張りだこだった著者。感染免疫学と公衆衛生学を専門とし、ドイツのウイルス研究所や厚労省国立感染症研究所での勤務等の経歴から当然だし、学者として矜恃と魂の叫びが聞こえてくる。田代眞人が感染症対策分科会のトップになるべきところを専門外の尾身茂を据えた点から間違い。国際社会で揶揄される「日本人は地震に敏感、感染症には不感症」に尽きる。「行政検査」「国民努力」「ファクターX」等のキーワードが挙がる。多くの人に読んで欲しい。2022/03/14
青雲空
10
共感すること、腹立たしいこと、多々書かれていた。A級戦犯が誰かは、明らかだ。 ここまでパラパラつぶやいてきたので割愛するが、348頁にコロナは誕生してたった1万年であるのに対し、インフルは1億年前から存在しているということに驚いた。コロナウイルスは新参者で、分からないことが多いし、変化の幅も大きい可能性がある。非常に厄介な相手ということだった。 コロナとインフルはまったく別物でモンスター。これが最終的に印象に残った。2022/04/12
のんき
10
感染症対策、危機感を持たず楽観視で進めてきた分科会😔 第4章と5章は読み応えあり(個人的にはP257〜269)2022/03/11
maimai
9
新型コロナに対してどう立ち向かうべきかについては、専門家とされる人の間でも(たとえばPCR検査を全体の対策の中でどう位置づけるか、などで)正反対の意見が対立していたりする。僕が最も信頼していたのは、本書の著者の岡田晴恵氏。改めて本書を読んでみても、やはり同氏が局面局面で主張してきたことは的を射ていたと思う。その警告してきたことはことごとく現実のものとなってしまった。この本によって、この2年間政府に対して感じていたもどかしさと苛立ちを増幅した形で追体験するような感じを覚えて、何やら重苦しい読書だった。必読。2022/03/11