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内容説明
脳卒中のリハビリに励んだ徳川吉宗。
老いの孤独の中で不朽の名著、鈴木牧之。
遊び心あふれる散歩の達人、隠居僧敬順。
三人の隠居の記録から浮かび上がる
老いの孤独と豊かさ。
脳卒中による半身麻痺と言語障害を必死のリハビリで克服しようとした八代将軍徳川吉宗。
息子ら家族への不平不満を七万字にも及ぶ遺書をしたためた文人。
散歩と社交を愉しむ一方、社会への批判精神を失わなかった隠居僧──
三人の男たちの「老後」を記した史料を丹念に読み解き、時代と個人を超えた普遍的な「老い」の風景を浮かび上がらせる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hit4papa
71
文献を紐解き、江戸時代の老人の姿から老いを考え直す試みです。江戸時代は、平均寿命が30代を聞いたことがありますが、これは乳幼児死亡率が高かったからだとか。著者は、文献等から80代、90代の老人は大勢いたことを読み解いています。なるほど、長寿は、大名などの上級国民だけではなかったのですね。本書は、鈴木牧之、徳川吉宗、敬順、といった江戸時代の3名の老人を取り上げています。3名の老人は、それぞれの老後を送りました。悲喜こもごもとはこのこと。自分は、健康寿命を延ばして他人に迷惑がかからない老後を目指します。2020/11/16
sofia
43
江戸時代の「老人」の年齢についてもびっくりするが、それ以上に早く亡くなる人と現代の老人くらいに長生きする人の両極端がいることにもびっくりした。吉宗の晩年のリハビリ日記も興味深い。虎ノ門の金刀比羅宮が丸亀の京極家の上屋敷の敷地にあったのは初めて知った。2020/05/30
サケ太
19
様々な“老い方”に想いを馳せる。江戸時代、思ったよりも高齢者が多く、その記録も遺されている。主に三人の人物を取り上げたられている。現代も過去も変わらない老の苦しみ悲しみ。では、懸命に働いてきたと語り、老後のこうではなかったという人生に怒りを感じている。御存じ徳川吉宗が、中風(脳卒中)を患い麻痺だけではなく、言語障害にもなっていたという。小笠原政登が記録した四年間のリハビリ生活。老後を楽しむ散歩老人。老いるという事、老いてなお生きるという事、その意味――保守としての意味には勇気を貰える。2019/02/21
ポメ子
6
三人の特別な老人たちから 当時の老人のあり方を垣間見れた。2024/10/09
そらパパ
2
江戸時代は年齢が両極端だったんですね2019/07/22