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内容説明
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」必携の書。
2022年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の主人公・北条義時(演・小栗旬)の生涯に迫る一冊。著者は、現在、もっとも北条義時に肉薄していると評価される新進気鋭の研究者。姉・北条政子と源頼朝の結婚、頼朝の挙兵、平家との戦い、武家政権の成立、将軍代替わりを契機とする政権内の権力闘争、将軍暗殺、承久の乱・・・・など大河ドラマのストーリーをより深く理解し、楽しめる構成。新史料を元に初期鎌倉時代政治史のミッシングリンクを解明し、『吾妻鏡』以外の公家史料も駆使して、なぜ北条氏が執権として権力掌握に成功したのか、その真相にも迫る。さらに著者の勤務先(鎌倉歴史文化交流館)が鎌倉という「地の利」を活かして考古学の成果も活用。カラー写真・図版満載で、鎌倉散策のお供にもなる書に仕上がりました。読みやすくわかりやすい文章ながら、内容は深い。
※この作品はカラーが含まれます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポチ
47
北条義時のことが少しでも分かればと思い手にした。読み易く理解し易い内容になっている。何となく陰険な策謀家のイメージがあったが、どうも違うようだ。大河ドラマもどんな北条義時を見せてくれるのか楽しみだ。2022/03/14
サケ太
23
北条氏とはなんだったのか。から始まり、時政の伊豆での存在感、義時の出自、その生涯。義時について新しい見方を得られた部分が多く、新鮮さもあった。2022/04/18
鯖
22
時政の後継は義時なのか、それとも牧の方が産んだ政範なのかに着目して読む。江間姓と北条姓が吾妻鏡でも混在してるし、江間という別の家を立てたから北条としては政範という解釈でいいのかな。…大河では平賀朝雅が政範を毒殺したとこを畠山重保(重忠嫡男)が目撃しちゃったから消されたってフィクションになってたけど、アレ、最終回あたりの義時だったら自分で邪魔な政範コロコロしてたよね。アレがなかったとしても、あんだけ粛清しまくってた義時が政範放置しとかないだろうし。そもそも大河でも義時がそのうち政範殺すんだろうなと思ってた2023/02/27
nagoyan
19
優。「史伝北条政子」との重複が多い(表現が逆か)。冷酷な陰謀家、皇室に対する反逆者、という通俗的なイメージをひっくり返す。というか、近世になって有力になったそれらのイメージではなく、同時代史料を駆使し、実像と同時代人の評価を明らかにする。頼朝の遺児、遺産(=幕府)を守ろうとする責任感の強い人物像。関東武内宿禰伝説。「政子」との重複は多いが、それでも本書はカラー資料も多く、「お値打ち」感がある。学説紹介もスマートで、全体に読みやすい著述。2022/05/21
MUNEKAZ
18
北条義時の評伝。大河ドラマ効果で義時本が多数出ているが、本書はその中でも決定版なのでは。カラー図版もあり、多数の資料を引いた内容は読みごたえがある。著者独自の見解としては、頼家・一幡殺害の実行犯として義時を上げている点と、義時暗殺説を完全否定している点が興味深いところ。また頼朝死後は姉・政子の存在感が際立っており、姉弟が両輪となって創世期の幕府を運営したことがよくわかる。まぁいろいろ読んでも義時自身は強烈な個性を感じることは無く、父・姉・義兄の補佐役、右腕、火消し役として№2に徹した生涯だったのかなと。2022/01/02