内容説明
戦前日本の海外鉄道を徹底ガイドした名著が新版で復活! 時空を超えた鉄道の旅にようこそ
第41回 交通図書賞 奨励賞受賞作の改訂新版! 巻頭に伝説の超特急「あじあ」の最新写真収録!
*当時統治下にあった「台湾」「朝鮮」「関東州」「樺太」「南洋諸島」そして「満洲」に日本が敷設した外地の鉄道を詳細に解説。
*当時の時刻表や観光案内、膨大な文献を駆使し、運賃や旅客の取り扱い、内地からのアクセス、豪華列車の案内などを展開した、戦前版『地球の歩き方』的書籍。
*旧版では2頁だったカラー口絵を大幅増の16頁とし、貴重な写真を多数(62点)掲載。
*新たに入手した当時の写真や絵はがき、パンフレット、使用済み乗車券や駅の記念スタンプなどの稀少資料の掲載を、旧版より大幅追加。
もともと旅行ガイドブックとは、歳月を経て版が改まるたびに情報が少しずつ更新され、写真や地図が充実していく発展途上型の読み物とも言える。今回、初めて本書を手に取ってくださった方も、旧版をお読みいただいた方も、大幅に増やした新掲載の写真や資料、そしてところどころ更新した本文を通して、時空を超えた東アジアの空想鉄道旅行による新しい景色を楽しんでいただければ幸いである。……「改訂新版の刊行にあたって」より
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ようはん
19
ほんの百年前には満州や朝鮮半島、台湾にある程度の日本人が住んでいて日本が作った鉄道で旅行していた事実を思うと不思議な気分になる。現代まで領有している世界線だったら新幹線も走っていたか。2023/11/30
月猫夕霧/いのうえそう
6
戦前の日本の植民地での鉄道について、地球の歩き方的に利用する際の留意点をまとめるような形式で記載している本になります。面積もある朝鮮や台湾には航路が充実していて往来が確保されていたり、列車内の食事が和洋あって充実していたり、植民地であるということを横において楽しそうに思えます。今まで1920年代に芸術家が朝鮮や大陸に行って作品を作ることが多かったのが不思議だったのですが、なるほどこれだけ旅行環境が充実していたのなら行くことも可能ですね。2022/11/30
Ahmad Todoroki
2
私は鉄オタではないものの、植民地主義と近現代史には興味があり、観光ガイドブック風の本書には教えられるところが多かった。出版社が出版社なので、内容に若干の心配がなくもなかったのですが、完全な杞憂でした。日本の鉄道史を知りたい人には強くお薦め。2024/03/04
tokumei17794691
2
・戦前日本の「外地」鉄道の旅客営業について、ガイドブック形式でガッツリ書いた本。各地の切符・列車の写真が豊富で、鉄道の事情・割引切符をはじめ、出入域手続き、言語、通貨に詳しい。・旅行史本は何冊か読んだが、満洲・中国での、通貨・時間・暦が不統一であり、極めて煩雑なことは初めて知り、驚いた。・各地で現存する当時の鉄道車両のカラー写真が巻頭に纏められていることが良い。特に、白黒写真は目にする機会が多い満鉄特急「あじあ」の車両の色は知らぬ人も多いのでは? ・食堂車や駅弁のメニューの具体性が乏しいのは残念。2022/04/11
wuhujiang
1
長距離移動=鉄道or船という時代だったこともあって、旅客列車に相当力を入れていたことが伝わる。今の日本では存在しない陸路での国境通過など、当時の人たちは注意することが多かったんだなあといった感じ。あとは駅舎の美麗さは今より上に思う。もちろん求められている機能が当時と現代では変わっているので仕方ないのだが。全般的に「はえ~」ってなることが多かった。雑学としての部分が多い。2022/10/01