内容説明
ようこそ、恐怖の“肉食系”ミステリーへ。
この島は何かがおかしい――
大手新聞社を定年退職した夜、連れて行かれたショーパブで一人の女性と出会った鮎子。
アサミと名乗る彼女はショーの演出を手がける立場で、出演ダンサーのオーディションを近々行うという。そのオーディションに立ち会って欲しいと、鮎子は初対面にもかかわらずなぜか頼み込まれる。
禁断の出会いをきっかけにアサミに翻弄される鮎子。新宿、浅草、バリ島を舞台に、アサミに心身をとりこまれた先で彼女が体験したのは、想像を絶する「宴」だった――
ようこそ、大藪賞作家が仕掛けた、世にもおぞましい“美食”の狂宴へ……!
【注意】全てが伏線。一行たりとも目を逸らしてはいけない。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
242
「私は及川鮎子。処女のまま還暦を迎えようとしている女だ」。出だしの15ページで、すっかり心を持っていかれてしまった。さすが赤松ワールド! 大手新聞社の文芸部デスクとして、”できる女”を演じながら定年退職するまで処女だったという鮎子。心の底には社会や会社に対する「怒り玉」を抱えていた。退職を機にアンドロギュロス(両性具有)の舞踏家・アサミと出会い…。面白すぎる設定に、最終局面まで一気読みだった。 2023/07/01
しんたろー
166
赤松さんの新作…大手新聞社文芸部を定年退職した鮎子は、他者に性的衝動がないアセクシャルで被虐願望のある60歳。新宿で出逢った両性具有の美女・アサミに惹かれ、ある目的の為に一緒にバリ島へ向かう…著者らしい毒を含んだ妖しい文章に惹き付けられたが『らんちう』『鯖』『藻屑蟹』らの強烈さは薄れてしまって、好い意味でも悪い意味でも「こなれた作家さんに成ったなぁ」という印象で若干拍子抜け。それでも、独特なグロやアンダーグランドな匂いは健在なので、特徴的だった「人や社会の闇を抉る」作品を再び産み出してくれるのを待ちたい♬2022/03/03
のぶ
95
赤松さんの醸し出す淫靡な世界に、存分に浸る事のできた作品だった。主人公は新聞社の文芸部を定年退職したばかりの及川鮎子。定年の日に連れて行かれたショーパブで、アサミと名乗る女性と出会う。アサミはショーの演出を手がける立場で、出演ダンサーのオーディションをバリ島で行うという。それで鮎子とアサミは現地へ赴くことになる。そこで繰り広げられたものは何だったのか?赤松さんの過去の著作はすべて読んでいるが、本作でも上品とは言えない独特の世界が繰り広げられる。生理的に目をそらしたくなる描写もあるが、話は面白かった。2022/01/13
ごみごみ
54
なんか凄いの読んじゃった!アセクシャルにアンドロギュノス。あまり聞き慣れない言葉だが、少数派でも実際にいるんだろうな、と興味を持って読み進めたが・・舞台がバリ島に移ってからは、刺激強すぎというより過激すぎてちょっと引いた💧ラストはそりゃそうだよな~とホッとしたのとは裏腹に、肩透かしを食らったような妙な読後感。2023/08/10
キンモクセイ
54
新聞社を定年退職した及川鮎子は退職祝いに連れて行かれたショーパブでアサミと出会う。鮎子にもアサミにも人に言えない秘密がある。アサミはショーのオーディションをバリ島でするから、鮎子にも来てほしいと強引に押しきられ同行したバリで繰り広げられる妖しい出来事。アサミの虜になった鮎子はバリで開花していく。その一方でオーディションを受ける美しいダンサー達が一人また一人と消えていく。次は私の番だと思っていた鮎子に待ち受けていたのは...バリ島の熱帯気候と独特の音が奏でる雰囲気に酔ったみたいだった。2022/01/20
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