内容説明
AIが台頭する現在、エンジニアにできることは何だろうか?
これまでになく変化を求められている、現代を生きるエンジニアの思考に、失敗学の観点から鋭く切り込む。社会が経験したことのない巨大リスクや、未知のリスクに太刀打ちできなくなってきた従来の〈データ重視の失敗学〉を脱却し、AI・DXと融合して生まれ変わる〈IT活用の失敗学〉への変遷の旅を綴る、失敗学の新たな地平を切り拓くエッセイ。
押し寄せるデジタル化の波のなかで、エンジニアは何を考え、何に注意し、どのような行動をすべきか。コロナ禍で脆弱性が露呈した現代社会で、リスクに備え、チャンスを活かす考え方を語る。アフターコロナのサバイバル・ガイド。
目次
1章 失敗学はもはや「御役御免」なのか?
2章 情報化時代の桃太郎
3章 「持論工場」のススメ
4章 創造的作業の実践術
5章 失敗学の履歴書
6章 「情報の民主化」がもたらすもの
7章 文豪に学ぶ科学の基本姿勢
8章 誰でもリスクは見つけられる
9章 違和感がないと事故は防げない
10章 個人では見つけられない巨大リスクがある
11章 型破りの失敗学をやってみよう
12章 新型コロナと大学教授の憂鬱
13章 失敗学の伝道師は電子の神の夢を見るか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
totssan
2
中尾先生の連載記事本(機械設計)。エッセイ的読み物の連載をされていたとは知らず、畑村先生風のごりごり失敗学の本として入手。が、予想以上に面白く驚いた。特に入試や学生の試験でのエピソードなど。語り口は失敗100選等と同じだが、ネタが大きく異なるのが新鮮。同誌では別の連載を今もされているので、それらも成書化して頂きたい。2022/05/07
nori
1
失敗学――事故や失敗を防ぐための学問――の第一人者が思い描く、『令和時代の失敗学』について。 徒然なるままに書かれているようで、データに基づいた主張がなされていて、うまい喋りをする方だなぁと関心。切れ味の鋭い語り口や、愚痴にも近いコラムたちも面白い。 詳しくは伏せるが、ナルホドと思う舵の切り方であった。2022/08/05
Masa
0
空想妄想っぽい思考プロセスだけど、当然ながら理論とデータに裏付けられてて、コラムが半分以上占めてて、所々に政治人間社会大学への諦めと怒りと愛おしさが綯い交ぜになって…ちょっと離れたところで見てると面白そう。2022/02/14