内容説明
ファイザー社と組み、11カ月という常識外のスピードで世界初の新型コロナワクチンの開発に成功したドイツ・ビオンテック社。画期的なmRNA技術で一躍注目を集めるバイオ企業の創業者/研究者夫妻に密着、熾烈なワクチン開発競争の内幕に迫るドキュメント。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
109
これは凄いドキュメントだ。最後は感動で目頭が熱くなる。ウールとエズレムの夫妻が、わずか11か月で新型コロナのワクチンを世に出した物語。誰も気づいていない時点でパンデミックを予測し、立ち上げたのが「プロジェクト・ライトスピード(光速)」。まさに、規格外の光速のスピードで開発が進む様子を、手に汗握る思いで読む。技術的、経営的、政治的な様々な困難と克服が、丁寧に説明されている良質のノンフィクション作品である。「成功の秘訣は、ウールとエズレムの人柄だ」と著者は言う。世界を救った二人の物語に、胸の震えが止まらない。2022/06/05
まーくん
92
新型コロナ・ウイルスによるパンデミックも、日本では五類移行に伴い規制も緩み、街中のマスク姿も随分減りました。ダイヤモンド・プリンセス号集団感染騒動よりも前、中国以外でまだ死者が出ていなかった2020年1月21日、ドイツの小さなバイオベンチャー企業が全く新しい手法によるワクチン開発に着手。共に免疫学者のビオンテック社創業者夫妻ウールとエズレムはパンデミック到来をいち早く予測。プロジェクト・ライトスピード(光速)を立ち上げ、それまで培ってきたmRNA医薬の技術で世界初の新型コロナ・ワクチンの開発に成功した。⇒2023/12/06
たまきら
50
フィナンシャル・タイムズ紙特派員によるコロナワクチン開発ルポです。史上類を見ない速さで実用化となったこのワクチンは、同時に商業的に最も成功したワクチンとなりました。ワクチン自体については自分で調べていたので、この本では科学的な部分よりも経済効果の内容が興味深かったかな。経済効果・国際的な影響力といった角度で見た場合、日本のワクチン開発遅れは致命的。本当ならもっときちんとデータベース化し、日本人に適するワクチンを開発してほしい。…科学者には拍手を送りたいが、政治とカネのドロドロにはうんざり。2022/12/25
kei-zu
38
新型コロナウイルスの蔓延当初、わずかな報道から、その危険性を察知した科学者の直感に、まず驚嘆。 とはいえ、ワクチンの開発と製品化には、いくつもの(そして過大な)困難があった。説得や交渉だけでなく幸運にも助けられた経過は、拡大するパンデミックの描写とともに読みごたえがある。 EUとの関係から、会社が存在するドイツ政府がワクチンの優先取得に支障が生じたなどの記述も興味深い。2023/03/31
kawa
38
私もお世話になったファイザー製コロナワクチン。その開発の知らざるドラマに感無量。きっかけは、トルコ人医学研究者ウールとエズレム夫婦の経営するドイツの小さなバイオテクノロジー企業・ビオンテック(バイオンテック)社。同社は本来mRNA分子を利用したがん治療薬開発会社。2020年1月、武漢で発生明らかになった感染症にいち早く人類の危機を感じ取って、わずか1年弱でワクチンの開発投与にこぎ着け、ファイザーと提携に至る手に汗ドキュメント。理系が不得意で、ちょっと朦朧とする場面もなくはないのだが、それを凌駕する面白さ。2022/06/21
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