漫画家の自画像

個数:1
紙書籍版価格
¥2,200
  • 電子書籍
  • Reader

漫画家の自画像

  • 著者名:南信長
  • 価格 ¥2,090(本体¥1,900)
  • 左右社(2021/12発売)
  • ポイント 19pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784865280555

ファイル: /

内容説明

〈ベレー帽=漫画家〉をつくった手塚治虫、バッテン目の萩尾望都、動物・ロボ化の鳥山明、不変不動の高橋留美子、そして進化を続ける江口寿史──。

近況欄の自画像から作中に登場する自分キャラ、漫画家マンガの主人公まで
漫画家たちにとって、もっとも身近なキャラは「自分」だった。
彼らは自らをどうキャラ化し描いてきたか?
なぜ顔出ししない漫画家は多いのか? 
美化して描くか?卑下して描くか? 
そして、奥深い〈漫画家マンガ〉の世界。
マンガ解説者南信長が、漫画家たちの生態に迫る!ボリューム満点の304頁。
【漫画家マンガ系譜図、リスト付き】

目次

◆目次◆

はじめにーー漫画家にとっての自画像とは

第1章 キャラ化する漫画家たち

(PART1)キャラクターとしての〈漫画家〉誕生
自分をマンガに登場させた先駆者たち
〈手塚治虫〉というキャラクター
手塚の自伝的作品とエッセイマンガ
漫画家たちが描いた手塚治虫
お互いを描いたトキワ荘の仲間たち
『まんが道』に描かれた漫画家たち
寺田ヒロオ最後の週刊連載『ノンキ先生まんがノート』

(PART2)自伝マンガに見る本人キャラ
「別冊少年ジャンプ」の自伝シリーズ
ベテラン作家たちの貴重な“自分語り”
ジャンプ躍進を支えた若手作家の半生記
自伝エッセイ作家としての矢口高雄
フィクションの皮をかぶった自伝マンガ
駆け出し時代の苦闘の日々を振り返る
ベテラン作家の破天荒な回想録が続々登場
女性作家たちのあけすけな回想録
『アオイホノオ』が生んだ第二次自伝ブーム
劇画家たちが描く“まんが道”

(PART3)“私マンガ”のディープな世界
“私マンガ”の先駆け『ライク ア ローリング ストーン』
自らの“罪”を吐露したジョージ秋山『告白』
本宮ひろ志の政治実況マンガ『やぶれかぶれ』
後進に大きな影響を与えた“私マンガ作家”つげ義春
つげ義春の系譜を継ぐ桜玉吉と福満しげゆき
仕事に行き詰まったベテラン漫画家の赤裸々描写
エッセイマンガのルーツとは?
女性漫画家たちの『わたしのデビュー時代』シリーズ
漫画家が多数登場する『フロムK』

(PART4)伝説として描かれた巨匠たち
評伝マンガの先駆け「漫画狂の詩」シリーズ
評伝ジャンルを確立させた『ブラック・ジャック創作秘話』
女傑・上田トシコの伝記『フイチン再見!』
青木雄二とあだち勉の破天荒な人生
実の娘が描く吉沢やすみと家族のドラマ

第2章 自画像と自意識の狭間で

(PART1)顔を出す漫画家、出さない漫画家
小説家に比べて表に出ない漫画家の顔
漫画家が雑誌の表紙を飾った時代
漫画家本人が登場する企画記事
雑誌内アイドルとしての少女漫画家
今では貴重なあの作家たちの写真
顔を出すべきか、出さざるべきか

(PART2)自画像に表れる自意識
マンガ誌の近況欄と自画像
もくじの自画像コメントの先駆者「ジャンプ」
新人作家の最初の仕事は自画像を描くこと
自画像を美化して描くか卑下して描くか
少女漫画家たちの簡略化自画像
確信犯的なブス自画像とイケメン自画像
人間の姿ではない自画像の登場
自画像の変化とペンネームの変化には相関あり?

(PART3)固定された自画像、変化する自画像
萩尾望都の自画像はいつバッテン目になったか
キャラ同様に年を取るちばてつやの自画像
年を取っても自画像が変わらない理由
自らをメインキャラ化した吾妻ひでお
とり・みきの自画像にはなぜ足がないのか
お互いの作品に登場する吉田戦車と伊藤理佐
常に最新の自画像を提供する江口寿史
自らをモデルにしたキャラ「寿五郎」誕生
最初から自分自身を主役とした西原理恵子
本人の人生とリンクするキャラクター像

第3章 〈漫画家マンガ〉の世界

(PART1)漫画家という仕事の歓喜と苦悩
永島慎二『漫画家残酷物語』の衝撃
『巨人の星』コンビによる熱血漫画家マンガ
ハウツー要素を盛り込んだ『その他くん』
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

keroppi

79
漫画家の自画像というと手塚治虫がどうしても浮かんでしまう。そういう絵を集めた本かと軽く考えて読み出したが、とんでもなかった。様々な作家の自画像や雑誌掲載の顔出し写真を取り上げつつ、その変遷から漫画家を描いた漫画まで論じている。今まで語られなかった漫画家たちの虚像と実像が入り混じり、漫画創作に苦しむ姿が見えてくる。時代の流れの中で消えていった漫画家もいる。こういう視点から浮かび上がる一つの日本漫画史として労作と言えるだろう。懐かしい漫画も数多く語られるが、永島慎二「漫画家残酷物語」を読み返したくなってきた。2022/04/21

akihiko810/アカウント移行中

26
「漫画家が自分を描いた自画像マンガ」を解説した本。印象度A+  自伝漫画、漫画家評伝漫画、そして漫画家を扱った漫画まで、「漫画の中で漫画家はどう描かれているか」をテーマにした本。漫画好きにはめっぽう面白い本だ。やはり手塚は作中に登場しまくったので、トキワ荘組も影響を受けて漫画の中に作者ご本人が登場している。 自伝・評伝漫画、そして漫画家の自画像の項は漫画家ご本人が漫画として登場する(現れる)だが、おまけなのかフィクションである(つまり作者でない)「漫画家マンガ」についてもかなりの分量がある  2022/04/09

kei-zu

24
エッセイ漫画に限らず、漫画家が登場する漫画が好きだ。個人的に手塚治虫「バンパイヤ」への思い入れが強いのは、手塚自身が物語の中心人物であることが大きい。 「漫画家の自画像」は、(エッセイ漫画を含め)虚実の皮膜を曖昧にする。本書で取り上げられるのは、上記の手塚のようにキャラとして登場する例のほか、自伝漫画や雑誌目次に掲載される著者近況にまで及ぶ。 自画像と自意識を狭間を埋めようとする考察は、なかなかスリリング。 良書です(o^-')b2021/12/30

キイロイネコ

14
図書館本。 漫画家の自画像、自分の顔の漫画化 だけではなかった。 漫画家がどんな人生を送った人がいたかなど。 えっ、あのTシャツにカエルがついた漫画家さんがそうなったんだ。 すごい量の情報です。 また、読みたい本2023/08/11

おーすが

12
手塚治虫、トキワ荘から現在の少年ジャンプ世代まで、漫画家の自画像、というか、漫画家自身のキャラクターと、自作品との関わりについてのまとめ。切り口がよく面白く読んだ。キャラクター作りのプロである漫画家が自己をキャラクター化する時、その手管と自意識が噛み合い、リアルに存在するけどどこにもいないキャラクターが生まれる。とはいえ自伝は苦手な漫画家がいるのが面白い。ジャンプの自伝シリーズはまとめて読んでみたい。矢口高雄の『9で割れ!』も面白そう。あの語り口が自伝にどう活かされるのか。2022/11/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/19066703
  • ご注意事項

最近チェックした商品