内容説明
全国各地に残る数多くの伝説,そして彼の名前に由来する「判官びいき」という言葉--このように今なお高い人気をもち,日本史上最も有名な英雄となっている源義経とはいったいどういう人物だったのか? 義経に関わる文書・記録や物語類などを広く探索して,単なる「悲劇のヒーロー」ではないその実像と魅力の秘密に迫る.
目次
はじめに┴I 幼きころ 史料の性格を考える┴信頼できる史料は何か┴父と兄たち┴母の周辺┴『平治物語』の性格┴常磐の物語のテーマ┴観音信仰の物語┴竜門の地┴II 童の時代 『平治物語』の世界┴「義経物語」の始まり┴鞍馬山の沙那王┴金商人の話┴金売り吉次の実像┴諸陵助重頼と義経┴義経物語と曾我・小栗判官┴III 英雄への階梯 『義経記』の世界┴「しやうもん坊」の勧め┴奥州下り┴鬼一法眼と法師陰陽師┴武蔵房弁慶の物語┴義経と弁慶との出会い┴『弁慶物語』の成立┴IV 英雄時代 『吾妻鏡』の世界┴奥州の世界┴義経と『吾妻鏡』┴鎌倉の義経┴鎌倉殿の代官┴木曾追討┴一の谷の合戦┴義経に集まる期待┴V 義経の力 文書から探る┴畿内近国の支配権┴人材を集める┴義経の手勢┴弁慶の実像┴大夫判官義経┴義経をめぐる女性たち┴VI 合戦の英雄 合戦記と物語┴追討と畿内近国支配┴大将軍の器量┴屋島の合戦┴壇ノ浦の戦┴平氏の滅亡┴義経の試練┴VII 頼朝との対立 書状の役割┴景時の讒訴┴腰越状┴頼朝の目論見┴義経の反撃┴義経包囲網┴刺客の派遣┴VIII 落日の義経 宣旨と院宣┴義経の挙兵┴没落の船出┴大勢一転┴吉野の義経┴幕府と朝廷の関係┴IX 静の物語 『吾妻鏡』と『玉葉』┴静と磯禅師┴静の芸┴捜索の手┴追及を受ける人々┴大捜索┴X 奥州の世界へ 記録と伝説┴逃避行┴平泉の世界┴奥州藤原氏と頼朝┴義経の最期┴栄華の跡┴義経伝説の広がり┴おわりに┴参考文献┴源義経関連略年表┴あとがき┴キーワード
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波 環
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金沢 衛