岩波新書<br> 源義経

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岩波新書
源義経

  • 著者名:五味文彦
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • 岩波書店(2021/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004309147

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内容説明

全国各地に残る数多くの伝説,そして彼の名前に由来する「判官びいき」という言葉--このように今なお高い人気をもち,日本史上最も有名な英雄となっている源義経とはいったいどういう人物だったのか? 義経に関わる文書・記録や物語類などを広く探索して,単なる「悲劇のヒーロー」ではないその実像と魅力の秘密に迫る.

目次

はじめに┴I 幼きころ 史料の性格を考える┴信頼できる史料は何か┴父と兄たち┴母の周辺┴『平治物語』の性格┴常磐の物語のテーマ┴観音信仰の物語┴竜門の地┴II 童の時代 『平治物語』の世界┴「義経物語」の始まり┴鞍馬山の沙那王┴金商人の話┴金売り吉次の実像┴諸陵助重頼と義経┴義経物語と曾我・小栗判官┴III 英雄への階梯 『義経記』の世界┴「しやうもん坊」の勧め┴奥州下り┴鬼一法眼と法師陰陽師┴武蔵房弁慶の物語┴義経と弁慶との出会い┴『弁慶物語』の成立┴IV 英雄時代 『吾妻鏡』の世界┴奥州の世界┴義経と『吾妻鏡』┴鎌倉の義経┴鎌倉殿の代官┴木曾追討┴一の谷の合戦┴義経に集まる期待┴V 義経の力 文書から探る┴畿内近国の支配権┴人材を集める┴義経の手勢┴弁慶の実像┴大夫判官義経┴義経をめぐる女性たち┴VI 合戦の英雄 合戦記と物語┴追討と畿内近国支配┴大将軍の器量┴屋島の合戦┴壇ノ浦の戦┴平氏の滅亡┴義経の試練┴VII 頼朝との対立 書状の役割┴景時の讒訴┴腰越状┴頼朝の目論見┴義経の反撃┴義経包囲網┴刺客の派遣┴VIII 落日の義経 宣旨と院宣┴義経の挙兵┴没落の船出┴大勢一転┴吉野の義経┴幕府と朝廷の関係┴IX 静の物語 『吾妻鏡』と『玉葉』┴静と磯禅師┴静の芸┴捜索の手┴追及を受ける人々┴大捜索┴X 奥州の世界へ 記録と伝説┴逃避行┴平泉の世界┴奥州藤原氏と頼朝┴義経の最期┴栄華の跡┴義経伝説の広がり┴おわりに┴参考文献┴源義経関連略年表┴あとがき┴キーワード

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

だまし売りNo

29
義経の戦術は奇襲や船の水夫の狙うとという敵には卑怯に映るものであった。一方で戦いを早く終わらせた点で民衆の負担は減らしている。ここは長期戦でもいいから安徳天皇と三種の神器を確保して朝廷交渉を有利に進めたいという頼朝の政治方針と対立した。これは無断任官以上の対立軸であった。義経が民衆のヒーローになることも理由がある。 2022/10/08

niwanoagata

16
申し訳ないが、読んでてつらい。研究書ではなく一般書なのでその通りかもしれないが、著者の研究成果がほぼ見られない。淡々と通説を詳しく史料を使い書いているだけ。もちろん史料が少ない時代なので、こうなるのも仕方ないのだが。細川重男みたいなのを書けとまでは言わないが、研究成果を書いたわけではないなら、もう少し読みやすく工夫するとかできないものか。まぁでもその分下手な嘘も無いので、ひたすら史料から見た義経像が使いたければ、これが良いかなと。要するに普通。唯一、弁慶と義経は対比と言うのは面白かった。2020/05/19

波 環

3
この時代は意外に一次史料が少ない。頼朝が家族を上手く生かしておいたら、鎌倉三代で将軍が断たれることもなかったのかと思う。 サステナブルな体制作り難しいものだ。2022/05/16

Takao

3
2004年10月20日発行(2004年12月3日、第3刷)。2005年の大河ドラマが「義経」だった。当時既に著者の『大系日本の歴史5・鎌倉と京』を読んでいたこともあって、その頃求めたもの。本書は、史料を駆使して、伝説的なヒーロー義経に迫るが、義経に関してはのちの時代に書かれたものも多く、「実像」を探るのは至難の技なのだろう。どうしても大泉洋扮する頼朝が脳裏に去来してしまうが、義経を通じて、頼朝を知ることもできた。頼朝は「義経」を口実に朝廷から様々な権限を奪うことにも成功していることも改めて知った。2022/02/27

波 環

3
新しいことを、力のまかせに、本人なりにはルールに沿って進めたもののハシゴを外される、ホリエモンのライブドア事件みたいみたいなものを思い出しました はじめは時代の寵児とされていたのが、目ざわりになった時点で消される存在 元気な若者は、角を撓めるか、角がささってどこかに挟まって動けなくなるか そんな感じなもこです2018/12/20

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