ちくまプリマー新書<br> はじめて学ぶ環境倫理 ──未来のために「しくみ」を問う

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ちくまプリマー新書
はじめて学ぶ環境倫理 ──未来のために「しくみ」を問う

  • 著者名:吉永明弘【著者】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2021/12発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480684165

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内容説明

エコ生活で環境はよくなるか? つくられた自然は偽物か? なぜ生物多様性が大切なのか? 身近な環境の改変から地球の未来に関わる問題まで、考えるヒントを示します。

目次

はじめに
第1章 エコな暮らしをすれば環境問題は解決するのか
「地球温暖化」が話題にされていなかった時代があった
地球にやさしくなるためには
個人の倫理から社会の倫理へ
環境倫理学の三つの基本主張
自然の生存権
世代間倫理
地球全体主義
社会倫理としての環境倫理
コラム1 科学技術の進むべき方向
第2章 まだ生まれていない人たちの幸せを考える必要があるのか
「将来世代に配慮する」とはどういうことか
将来世代に配慮しないとどうなるのか
世代間倫理は常識的なのか
資源問題よりもゴミ問題が重要
ゴミ生成の不等式
長く使える製品をつくるべき
放射性廃棄物は最悪のゴミだ
映画『一〇〇〇〇〇年後の安全』の内容
将来の人たちの幸せを考えた意思決定をすべき
コラム2 映画でわかる公害の構図
第3章 地球温暖化はなぜ止められないのか
地球環境問題は分配の問題
分配の公平性をめぐって
クッキーをどう分配すれば公平か
無限の資源を前提とした答え
CO2排出量の削減方法
産業界に甘く、消費者に負担を強いる政策
解決のための社会的アクションを抑制する傾向
コラム3 成功した環境条約
第4章 生物種の絶滅を防がなければならない理由は何か
トキを絶滅から守るのは何のためか
「生物多様性」という言葉の登場
なぜ「自然」ではまずいのか
なぜbiodiversityという言葉を使うのか
biodiversityと「生物多様性」の違い
diversityはなぜ大事なのか
六回目の大量絶滅
生物種の絶滅を防ぐのは将来世代のためでもある
動物倫理との対立
外来種対策について
増えすぎた生きものをめぐって
コラム4 環境倫理と動物倫理の協働の道
第5章 つくられた自然は偽物か
欅の木が切られた話
開発とミティゲーション
自然再生とは
自然の価値論
保全と保存
アメリカの環境倫理学の大問題
自然再生に対する評価の変化
良い自然再生と悪い自然再生
コラム5 アメリカの環境倫理学のバイブル
第6章 都市生活は地球環境にとって悪いのか
環境問題にはいろいろある
環境とは何か
環境の範囲
環境問題とは何か
今や「身のまわり」とは「都市環境」だ
都市と持続可能性
都市における自然
都市のアメニティ
都市の魅力を探す「アメニティマップ」
学校をあらためて見てみよう
まちづくり活動としての「アメニティマップづくり」
私たちができる環境保全活動
「都市の環境倫理」のすすめ
コラム6 古地図を見ながらまちあるき
第7章 なぜ古い建物を残さなければならないのか
日本の家の寿命が短い理由
ジェイコブズの都市計画批判
混合一次用途と小さな街区
古い建物
密集
古くて安い建物が若者には必要だ
古い建物は新しく作れない
建て替えよりも中古物件の流通を
中古物件でお店を開く
コラム7 景観を変えないまちづくり
第8章 環境を守るために何ができるのか
環境保全を仕事にする
NGO・NPOとは何か
環境NPOにかかわる
日本のナショナル・トラスト
イギリスのナショナル・トラスト
政治や社会に関心をもち、意見を言う
場所に関心をもち、発信する
未来市長になる
コラム8 南方熊楠の神社合併反対運動
おわりに
参考文献と読書案内

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

香菜子(かなこ・Kanako)

27
はじめて学ぶ環境倫理 ─未来のために「しくみ」を問う。吉永 明弘先生の著書。環境問題、地球温暖化、生物多様性、環境倫理、持続可能性。一つ一つのキーワードを見聞きする機会は増えていても、環境問題、地球温暖化、生物多様性、環境倫理、持続可能性という言葉の本当の意味を理解している人は少ないと思う。環境問題、地球温暖化、生物多様性、環境倫理、持続可能性はどれも未来のためのしくみを作るためにはなくてはならないもの。環境倫理を学ぶのに子供も大人も老いも若きも関係ない。人類みんなで考えるべき問題。2022/08/04

ふみあき

21
「人間非中心主義」を標榜する「生態系中心主義(環境倫理)」と「生命中心主義(動物倫理)」だが、どちらも所詮「人間中心主義」の範疇では? 生態系の維持、あるいは動物の権利のどっちを第一義に置こうが、そう考える人間の信念が出発点なわけで。自然は何も語らないし。「肉食を減らすべき」という主張には完全に賛成だけど。2021/12/30

9
吉永明弘著の「はじめて学ぶ環境倫理ー未来のために「しくみ」を問う」を読み終えました。この本に寄れば、環境倫理とは、こまめに節電をするなどといった個人的な心掛けを指すのではなく、社会のシステムとして倫理に適った環境問題対策をしようということだそうです。内容もそれに基づき、社会の「しくみを問う」ものになっています。環境問題について考えるきっかけの本として、読みやすく視野が広がる内容になっていますのでおすすめです。2024/01/18

kurupira

8
自分が高校生の時ですでに環境倫理学の3つの主張って習ってたか思い出せない、単に授業寝てて記憶ないだけか。倫理感って時代で少し変容するから、バランス良く知識を得て広い視野で正しい事・悪い事を見極めたい。本作の話でないが、ソーラーパネル設置し自然を破壊して助成金を得るのは、環境倫理的にはどうなるんだろうとモヤモヤする。。2023/10/02

Miki Shimizu

6
環境問題の解決は個人の努力じゃなく、法や経済といった社会制度を変えなあかん。と書いてある本。へー。法律を変えて、企業の活動を規制したりして仕組みを変えないと、一人ひとりがコツコツ努力してもあかんねんて。自分でできるのは環境系のNPOで働くとか、選挙で環境考えてる候補に投票するとか、パブコメを書くとか、SNSで書くとか。ほへー。2022/04/08

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