内容説明
なぶり殺しにあった兄の復讐のため、人生を捧げることを誓った衣川恭介。標的のうちの二人を始末するが、警察からも指名手配される身となってしまう。残る仇敵は六人。しかし、国家権力をバックにしたあくどい罠が衣川を待ち受けていた――。呪われた銃ワルサーP38を手に、孤独な殺戮者・衣川の闘いは果てしなく続く。大藪文学の金字塔が待望の復刊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
27
『みな殺しの歌』の続編である本作は、前作同様、非情な暴力描写で徹底されている。主人公・衣川は、兄を殺された復讐という大義名分があるものの、ターゲットと直接関係のない警官等をも平気で殺していく。とはいえ、衣川はサイコパスではない。殺しを楽しんでいるわけではないのだ。この冷めた暴力で彩られた復讐劇に、現在の読者は拠り所としてどこかに批評性を求めてしまいがちだが、宇田川拓也の解説に紹介されている大藪春彦のこの言葉に出会う時、それが大いに間違った行為であることに気付かされる。(つづく)2023/12/12
松田悠士郎
2
「みな殺しの歌」の続編で、衣川の復讐の行く末が描かれる、のだが、ハッキリ言って衣川は迷走している様にしか見えない。前作からだが途中でやらなくて良い事をやりまくるもんだから本来の復讐の的になかなか行き着かない。それ所か、本書の後半に何故か衣川と関係無い勢力が変に割り込んで来てもうシッチャカメッチャカ。最後の半ばヤケクソなまくり方には驚いたが。ただ、かつて「蘇える金狼」を野望篇で挫折した私がこの作品を読み通せた事は妙に自信になった。2023/05/27
晴天
1
最初は、単に射撃好きのバー経営者が、兄の非業の最期とたまたま転がり込んできた拳銃とで復讐に走る話かと思った。もちろん復讐が動機なのだが、職業犯罪者や野心の人ではない被害者家族という無辜の人間なので、正義の執行を行うのだろうという期待が漠然とあった。しかし復讐の過程で些細な理由でまったく無関係の無辜の人々を利用した上で殺すなど、悪鬼のごとき所業を見せる様に戦慄した。そうさせたのは、ナチス高官の特注品であり、虐殺に立ち会い、戦利品として渡った米国でも犯罪で殺戮を恣にした凶銃が、主人公を変えたと見るべきなのか。2026/06/28
depo
1
図書館リサイクル本。何時もながらの大藪世界。それにしても何人死んだだろう。2022/10/06
たくぞう
0
ここに復讐者はいない。逢い引きの帰り道でお巡りさんたちに延々と追い回される男ならいる。2023/06/06
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