内容説明
奴隷制、円形闘技場……ローマ史を流血で彩った剣闘士(グラディエーター)の光と影。「ローマの平和」(パクス・ローマーナ)と讃えられた地中海世界帝国において、数百年にわたり、史上唯一の公認殺人競技がなぜ続いたのか? 剣闘士競技の起源や仕組みはどうなっているのか? 民衆はなぜ流血の見世物に熱狂したのか? 膨大な財政負担にもかかわらず、為政者や富裕者は何を期待して見世物を施そうとしたのか? 剣闘士とその競技を通して、ローマ帝国の権力、社会の構造の深層をさぐり、帝国の繁栄と変容、終焉への過程を辿る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sk
4
古代ローマの剣闘士について。当時の社会が見えてくる。冒頭の小説も良かった。2022/05/22
わらのいぬ
1
10人に1人(5試合に1回)の割合で人が殺される命懸けの見世物競技が、死亡率が上がって2人に1人(毎試合)殺されるようになると、競技としての質が下がり衰退したのではないかいう説、とても面白い。2021/12/07
Mits
0
剣闘士についての文化や制度、運用はどんなものだったか。いろんな創作物によく出てくる名前ではあるけど、その実像はなかなかわかってないもんですね。〇〇闘士って、いろんなスタイルがあったみたいで、絵としての特徴はわかるけど、実際はどんな闘いをしていたのか……2022/11/06
h_hukuro
0
フィクションでも見かける剣闘士について、歴史や種別だけでなく、剣闘士を求める当時のローマの背景までが分かりやすくまとめられた一冊です。結局のところ、現代に生きる我々も二千年近く前に生きていた人々と根本は変わりないように思われます。2022/02/23