日本経済新聞出版<br> 本当は逢いたし

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日本経済新聞出版
本当は逢いたし

  • 著者名:池田澄子【著】
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 日経BP(2021/12発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 660pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784532177164

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内容説明

最新句集『此処』で2020年度の読売文学賞を受賞した俳人が、3・11からコロナ禍までの10年間に日経新聞や俳句雑誌に発表してきた60篇あまりのエッセイを1冊に編む。
タイトルは自作句「本当は逢いたし拝復蝉時雨」から。時々のくらしを営む「此処」から「彼処」にいる本当は逢いたい人たちを思い綴る。彼処にいるのは――軍医として赴いた戦地で命を奪われた父、俳句の師、つい最近亡くなった夫、そして被災地で、猛威を振るう自然災害で、先のむごたらしい戦争で命を失った人たち。楽しい旅の途次に、家事の合間に、テレビを観ている時に、想像力は自然に育まれた命そのものへと向かう。自らの思いを常に客観視しているような透徹なまなざしから生まれる文章は、各エッセイに引いた自作句、師や友や先達の句をピリオドとして、えもいわれぬ余韻を残す。
84歳の著者による句集『此処』は増刷を重ね、枠にとらわれない軽やかな口語表現は俳句の世界を超えて、若い人にも広く受け入れられた。本書はそのメイキングとも言える。

目次

I 本当は逢いたし
当て無き櫂/気持よいかしら/母性愛か恋か/母におくれて/また八月/だからと言って/なんとかしなきゃ/出来秋/いちいちうごく/生き合う/その気になれば/こっちこっち/吐く息/拳ひらくと/死木と裸木/ひろごる/母の手/港の見える丘/流れる
II 彼の世も小春日和か
生まれ月/もろもろ/ありがとう/八月/うみのそこ/未練など/言葉があって/揚花火/見つめ合う/木の葉しぐれ/考える/二つ並んで/はいっ、やってちょうだい
III わが晩年などと気取りて
あの日は晴/思ってます/晩年や/夏になると/明石焼き/遊び/冬麗/春浅く/思っている/秋の素足
IV あんな日があってこんな日
此処あったかいよ/気が向きまして/自分を見尽くす/春立つ日/雀・ヒヨドリ・烏・人/詩の山を/空気ゆたかに/夜中まで灯して/最初と最後と/たまたま誕生日/エープリルフール/虚子忌そして花祭/夜目遠目/五月の風をゼリーにして/ふつつかな魚/どちらが夢か/あんな日があって/じゃんけん/奇麗な風/言われてみれば
V 私史に正史の交わりし
さようなら「平成」/父の顎

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はくもくれん

11
「俳句を作るので、省略はやや得意である」。一流の俳人は一流の文章を書く。 考えると女で大人去年今年 言葉を学ぶためこれからも繰り返し読み返す本。2022/02/25

量甘

6
俳人池田澄子のエッセイ集。亡き人との思い出があらわれ、現実とまじりあう。<玉砕の島水筒の腐りがたき>、思わず口ずさんでしまいそうな<春寒の灯を消す思ってます思ってます>など、俳句の世界が自由に広がっていく。何度も読み返したくなる一冊。2023/12/21

Azu

5
たまたま何かで紹介されて手に取った本だったけど、どこかで目にして強烈に印象的だった「じゃんけんで負けて蛍に生まれたの」を詠んだ方だと知り、嬉しくなって、大事に大事に読みました。お年を知った時はびっくりしました。軽やかでチャーミングで、こんなふうに年を重ねたい、と思います。読んで良かったし、また時々読み返したいです。2025/08/14

peace land

3
破調の俳句を読む人なのだな。俳句の世界を広めてもらった気がした。どのような心境からこのような俳句を作るようになったのか、もう少し著作を読んでみたい。2022/04/15

kawauso

2
これまであまり俳句に興味がなかったけど、池田さんの日常生活が垣間見える軽やかな俳句が好きだ。作品と同じように、エッセイも読み口が軽やかで読みやすい。引用されていた「考えると女で大人去年今年」が、ユーモアがあって素敵だなぁと思う。こんな大人になりたいと思う人の1人だ。2024/11/03

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