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内容説明
スポーツは公正にして公平な監視下での争い。勝ちと負けしかないその世界で、常に勝ち続ける者たちがいる。では勝者と敗者の境界線は、どこでどのように引かれるのか? 「勝っているときこそ選手を代える」「教えないことこそ指導」など、逆説的な言葉にこそ勝者の真理はある。逆に敗者が口にする言葉とは、「時期尚早」「前例がない」「あいつはおれが育てた」……。著者は言う。こうした思考の違いは、Jリーグ理念に基づくサッカー日本代表の成長と、それと対照的なプロ野球の人気衰退にも関係している、と。本書では、野茂、イチロー、長谷川滋利やトルシエ、森祇晶、三原脩など一流の選手・指導者と日本シリーズON対決などの名勝負の分析を通して、強い組織と強い個人の作り方を提示する。著者はNHK「サンデースポーツ」他で、人気上昇中のスポーツジャーナリスト。本書はその著者初の書き下ろしである。スポーツの名将・名選手に学ぶ「勝つ!」思考。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
30
*プロスポーツの監督は選手の育成はできない。活躍の場を与えることで選手が成長するという。仰木彬氏の下でのイチローや野茂はその例。*ノーベル賞受賞の白川英樹氏は失敗から発見を導いた。大きな変革は失敗の上から起こる。バイアグラも高血圧の抑制剤の派生品。*JリーグやVリーグ共に人気がありいい選手も出ているが世界レベルは高くない。卓球やバトミントンのワールドクラスの育成との違いは?*最後に著者はイチローのメジャーでの活躍を(‘01)予言したがイチローが残した記録の大きさは偉大である。2018/01/06
佐島楓
23
イチロー選手の振り子打法を個性ととらえず、フォームを矯正しようと「指導」していたコーチがいたという事実に驚かされた。型にはまった押しつけをすれば、イチロー選手の今日の活躍も観られなかったかもしれない・・・。我を通してくれて本当によかった。やはりスポーツは、人生の縮図なのだ。2014/11/02
スプリント
9
指導者は反省と反駁の日々なんでしょうね。 ノウハウがオープン化し素晴らしい能力をきちんと開花できる選手が育成されることを期待します。2019/08/13
Kaz
7
野球、サッカー、バレー、ラグビー等々。二宮節全開で、心地よく読ませていただきました。序盤のスポーツを通した日本人論は、理屈が通っていて、納得いくものでした。2012/10/04
Humbaba
5
勝者となるためには,まず彼我の戦力差を考える必要がある.自分のほうが強者であれば,奇襲を考えずに正攻法で闘うのが最も効果的である.一方自分が弱者であれば,自分のほうが優っている一点を信じて進むべきである.そして,どのような状態であって決着がつくなでは手を緩めてはいけない.2011/02/26