禅文化研究所<br> 禅心の光芒

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禅文化研究所
禅心の光芒

  • ISBN:9784881823293

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内容説明

「仏心宗」を標榜するわが禅宗は、祖師たちがそれぞれ自ら辛苦して得た仏心
の内容を、仏祖の経典や語録を用いながら他者に伝えてきた“言動の集大成”
である。そこにはいわゆる特定の固着した教義というものはない。それはいず
れも祖師たちの自由闊達で深い禅心が、今も周囲の世間に向かって迸り出る光
芒の記録なのである。

目次

第一章 仏心の宗教
仏心宗/不立文字/実存思想の台頭/禅宗の初祖達摩大師/慧可、臂を断る/不倒翁/キリスト教徒の沈黙/二入四行論
第二章 己事究明の仏道
デカルトの身心二元論/教えと別の伝え方/廓然無聖/眼は眼を見ず/仏心とは
第三章 体究錬磨の彼方に
宗教間対話の時代/体験の宗教/禅宗の独自性/一行三昧/坐禅の歌/生活信条/臨済の宗風/殺仏殺祖/体究錬磨せよ/祖師たちの苦行/脇、席に着けず/錐で股を刺す/円い枕/柱に凭れて眠る
第四章 心は不可得である
心はつかめない/心を求める誤り/心そのものが道である
第五章 解放された心
開放された心とは/空は、無ではない/一心とは/心を空ぜよ/達摩の一心/身も心も実体ではない
第六章 天地を超える心
栄西の禅/大いなる心/ハタラク心
第七章 静寂主義の批判
瓦を磨いて鏡にする/老婆、庵を焼き捨てる/四条大橋での坐禅
第八章 頓修頓悟の禅
執着心を捨てる/無分別たれ/初めての日本禅/看話禅の伝統/無字の公案/仏の四智/関門を透る
第九章 真仏の所在
庭前の柏樹子/真法に形なし/無位の真人
第十章 悟りの彼方へ
有限と無限を超える/有為と無為の彼方へ/百尺竿頭、進一 /百足虫の話/白隠の悟り/悟りを超える
第十一章 仏否定の思想
仏の拝み方/趙州の再行脚/地獄に入る/異類中行の思想/頓悟の思想/本来無一物/現実の絶対肯定/地獄はあるか/黄檗の一乗道
第十二章 禅心の伝達
以心伝心/心は伝えられない/真理の間接伝達/大燈国師の遺誡/七百年を経て今に
第十三章 接化の手段
鼻を捻じあげる/好雪片々
第十四章 悟りは日常の中に
悟りは日常のなかに/平常心是れ道/頓悟菩提/直心是れ道場/心のハタラキ
第十五章 慈悲心の発露
 蘊居士/倒れた父を起こす/無縁の大悲/智増と悲増/慈悲の涙/人を助けて破門される
第十六章 禅の民衆教化
禅僧と民衆の接触/禅の民衆化/盤珪和尚の不生禅/盤珪の説法/不生の仏心/人のための修行/白隠の民衆教化
第十七章 禅者の涙
弟子の踏み台となる/女を抱く/病者の慰問/手荒な慈悲/下座行
第十八章 呵々大笑
常識を超える/一回、死に切る/呵々大笑/禅僧の機知/頓知の一休/仙厓和尚の面目
終章 わが師 南明和尚の深恩
如法綿密の人/枯淡質朴の生活/返せぬ大恩
主たる引用文献
あとがき