内容説明
慶応四年三月。鳥羽・伏見の戦いに勝利した官軍は、徳川慶喜追討令を受け、江戸に迫りつつあった。
軍事取扱の勝海舟は、五万の大軍を率いる西郷隆盛との和議交渉に挑むための決死の策を練っていた。
江戸の町を業火で包み、焼き尽くす「焦土戦術」を切り札として。
和議交渉を実現するため、勝は西郷への手紙を山岡鉄太郎と益満休之助に託す。
二人は敵中を突破し西郷に面会し、非戦の条件を持ち帰る。だが徳川方の結論は、降伏条件を「何一つ受け入れない」というものだった。
三月十四日、運命の日、死を覚悟して西郷と対峙する勝。命がけの「秘策」は発動するのか――。
幕末最大の転換点、「江戸無血開城」。命を賭して成し遂げた二人の“麒麟児”の覚悟と決断を描く、著者渾身の歴史長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
59
勝海舟を主人公に、西郷どんとの駆け引きが描かれます。日本の未来のために何も求めず駆け抜ける「麒麟児」2人の暗躍が手に汗握る、波乱万丈の歴史小説でした。面白かったです。2022/04/16
優希
47
再読です。勝先生と西郷どんの駆け引きは日本の未来を決める大きな出来事だったのですね。だから無血開城もかなった。幕末期の手に汗握る歴史小説でした。面白かったです。2024/04/26
森林・米・畑
45
「江戸百万の命、俺が預かる」こんな啖呵を切った幕臣、勝麟太郎。世の中間違っていたら立場を省みず行動する。幕末という時代を西郷隆盛との交渉にスポットを当てた内容。幕末史を違った視点で見れた。新政府側、旧幕側のそれぞれの思惑。それぞれ意見の取り纏めの苦心が分かる。人は私利私欲、無関心、無鉄砲と様々いるもんだ。そんな中、冷静に判断して交渉行い江戸無血開城を成し遂げる。江戸が焦土と化したら今の日本はどうなっていただろう?2022/05/19
金吾
39
勝海舟と西郷隆盛の江戸無血開城の交渉を勝側主体に書いています。頭のキレや度量の大きさもそうですが何よりも戦略眼の高さに感嘆させられます。2022/12/14
hrmt
35
冲方作品5作目。幕末が舞台の作品はいくらか読んでいるが、かの有名な江戸城無血開城はどうやって成されたのか、勝海舟と西郷隆盛の間でどんなやりとりがあったのか知らなかった。幾度となく幕府に落胆させられながらも、慶喜を見捨てることができない江戸っ子.勝のボヤキが面白い♪もはや捨て身の焦土戦術まで用意した交渉前の駆け引き、緊迫感漂う交渉場面。明治となり、西南戦争で自刃した西郷を称える留魂碑を建てた勝。二人の間にたしかに心を通わせるものがあったということなのでしょう。2021/12/10
-
- 電子書籍
- ワタシがファミレス沼にハマった理由(5…
-
- 電子書籍
- ゆゆ式 13巻 まんがタイムKRコミッ…
-
- 電子書籍
- 大奥の陰陽師 メディアワークス文庫
-
- 電子書籍
- 真壁先生のパーフェクトプラン【分冊版】…