内容説明
東南アジアで元日本兵が語った祖国と戦争。
戦後60年を経てなお東南アジア各国に残る、日本人元兵士たち。
「どうして故郷へ帰らなかったのですか?」
その問いに古い記憶をたどりながら、ある人はやむなき事情で逃亡兵になったいきさつを、ある人は過酷な戦闘体験で日本と決別した経緯を語った。
タイ、ベトナム、インドネシア・・・・・・。現地に足を運んで聞き出した、14人の証言。しかし本書刊行時点では、そのほとんどが故人となっている。
日本に帰らない選択をし、戦後60年異国で年老いていった人たちの戦争体験を聞くために南へ! 彼らと50ちかく年の離れた著者にとって、「祖国とは何か?」という謎解きの旅であった。
あらためて「日本が海外で戦争することの意味」を考える、一級の資料にして珠玉のノンフィクション。(2014年発表作品)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
k.t
3
第二次世界大戦のあと、任務地から帰ることなくその場に残った日本の残留兵を追ったルポルタージュ。戦争の本は大きな流れに軸足を置いて書かれることが多いが、あくまでこの本は一人ひとりの視点で書かれていて、戦争のリアルな側面を垣間見ることかできる。みんなが帰らない理由が「家族がいるから」など、すこく人間的なものであることも興味深い。戦争を知る上ですごく良い本。2015/07/15
すみす
2
戦後60年の時点で大東亜戦争中一兵卒だった人達の証言を集めた貴重な書。さらに戦後日本に帰らなかった人達の証言であり尚貴重。兵卒の立場から見たインドネシアのこと、ミャンマーのこと、インパール等を知ることができたし、登場する各人を通して当時20歳前後の戦争に参加した人達の気骨を感じ、翻って今の日本人の軽薄さに大変申し訳ない気持ちになった。そして政治家の靖国参拝について、マスコミが大騒ぎする中で8/15に参拝する事は単なるパフォーマスに過ぎないと肌身に感じた。参拝したい人が静かに参拝できる環境こそが求められる。2025/07/18
馬場誉志夫
2
第二次世界対戦後に任務地にそのまま残った人達に聞き出した話。終戦の日本に戻れる機会はあったが、自らの意思そしてそれぞれの理由で残る。2016/02/18
くらーく
1
こういう本は読んでおいた方が良い。ただ、重なるところが多く冗長な感じがする。もう少し、編集しても良かったな。 戦地により、兵隊の待遇が随分と違うのが分かる。インパールとジャワの違いよのお。これで、終戦を迎えたら、負けたと思えない兵士も多々いるわなあ。 今でもそうだけど、日本は都合の悪い事は考えないし、教えないよね。戦争をすると、敗戦することだって、捕虜になる事だってあり得るのに、何も教えていない。だから、敗戦になって兵士はどうしていいか分からない。結局、国に見捨てられた感が半端ないね。男の矜持だな。2019/04/13
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