内容説明
秋の静かな昼下りに刑事部屋に押入った女の手には、拳銃とニトロの小壜が握られていた。女はキャレラに恨みを抱いている。だが彼は、今ここにはいない……復讐の鬼と化した女と刑事たちとの熾烈な心理闘争。刻一刻と迫るカタストロフィ。息づまるスリルと緊迫感で描くシリーズの決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐々陽太朗(K.Tsubota)
70
小さな、しかし絶対に壊されたくない幸せ、それが謂われなき逆恨みによって危機に瀕している。そんな緊迫感が全編をつつむ。解決したとき、心から「よかったー」と思える脱力感。果たしてニトログリセリンは本物か偽物か、それがわかったときの何とも云えぬ気持ちは忘れられないほど。それほど物語にのめり込み、コットン・ホースに感情移入し、テディ・キャレラの身を心から按じていた。余談だが、順番を間違えてシリーズ第7弾『殺しの報酬』、第8弾『レディー・キラー』を読み飛ばしてしまった。これから第7弾に戻るが興ざめにならないかなぁ。2015/07/28
tom
27
ときどきマクベインを読みたくなる。今どきの錯綜したミステリーと比べると、とてもシンプル。このシンプルさに惹かれてしまう。今回は、87分署にとんでもない女が現れた。彼女は、ニトログリセリンの小瓶を持っていると語り、その小瓶に拳銃を突き付けて、刑事たちを翻弄する。彼女の目的は、夫を刑務所送りにしたキャレラを撃ち殺すこと。そして・・・という物語。刑事たちの静かな戦いと、この事態に気付かない周りのお気楽仲間たち。このコミカルな対比を描きながら、お事件は落着。2024/06/28
おくちゃん
12
再読です。もしかして3回目かもしれません。何回読んでも87分署シリーズは面白い。ニトログリセリンと拳銃持った女性に翻弄されハラハラドキドキの87分署内と外での密室殺人に挑むキャレラ刑事。コントラストが良い。 でも、キャレラ刑事の奥さんであるテディは可愛いな!。素敵な奥さんですね。2020/10/11
GaGa
11
再読。随分久しぶりに読み返してみたらやはり面白い。これから87分署は時折読み返してみよう。夫を逮捕した刑事の復讐の為に分署に来た女。その手には拳銃とニトログリセリンが入っていると言う小壜が。しかし、その刑事は別の密室殺人の捜査中。緊迫の中、その刑事の聾唖者である妻が分署を尋ねてきてしまう。スリリングな展開はシリーズ1かも。2010/07/29
アーチャー
7
87分署シリーズの中でも屈指の傑作と評される作品であり、シリーズという枠を気にせずミステリーファンなら読んでほしい作品だと思います。
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