文春新書<br> 老人支配国家 日本の危機

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文春新書
老人支配国家 日本の危機

  • 著者名:エマニュエル・トッド【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 文藝春秋(2021/11発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784166613397

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内容説明

本当の脅威は、「コロナ」でも「経済」でも「中国」でもない。
「日本型家族」だ!

核武装から皇室までを語り尽くすトッドの日本論!
磯田道史氏、本郷和人氏とも対談。

若者の生活を犠牲にして老人のコロナ死亡率を抑えた日本だが、社会の存続に重要なのは高齢者の死亡率より出生率だ。
「家族」が日本社会の基礎だが、「家族」の過剰な重視は「非婚化」「少子化」を招き、かえって「家族」を殺す。

(目次)
日本の読者へ――同盟は不可欠でも「米国の危うさ」に注意せよ

I 老人支配と日本の危機

1 コロナで犠牲になったのは誰か
――「老人」の健康を守るために「現役世代」の活動を犠牲にした
「シルバー民主主義」
2 日本は核を持つべきだ
――「米国の傘」は実はフィクションにすぎない
3 「日本人になりたい外国人」は受け入れよ
――日本に必要なのは「多文化主義」ではなく「同化主義」だ

II アングロサクソンのダイナミクス

4 トランプ以後の世界史を語ろう
――黒人を“疎外”したのはトランプではなく民主党だ
5 それでも米国が世界史をリードする
――民主主義の“失地回復”は常に「右」で起きる
6 それでも私はトランプ再選を望んでいた
――「高学歴の左派」は「低学歴の労働者」の味方ではない
7 それでもトランプは歴史的大統領だった
――トランプの“政策転換”が今後30年の米国を方向づける

III 「ドイツ帝国」と化したEU

8 ユーロが欧州のデモクラシーを破壊する
――ユーロ創設は仏政治家が犯した史上最悪の失敗だ
9 トッドが読む、ピケティ『21世紀の資本』
――貧しい人々には「資本の相続人」よりも
「学歴があるだけのバカ」の方が有害かもしれない

IV 「家族」という日本の病

10 「直系家族病」としての少子化(磯田道史氏との対談)
――日本人は規律正しい民族だが“自然人”としての奔放な面もある
11 トッドが語る、日本の天皇・女性・歴史(本郷和人氏との対談)
――女性天皇の登場は、中国の父系文化への反発でもあった

エマニュエル・トッド(Emmanuel Todd)
1951年生まれ。フランスの歴史人口学者・家族人類学者。国・地域ごとの家族システムの違いや人口動態に着目する方法論により、『最後の転落』(76年)で「ソ連崩壊」を、『帝国以後』(2002年)で「米国発の金融危機」を、『文明の接近』(07年)で「アラブの春」を、さらにはトランプ勝利、英国EU離脱なども次々に予言。著書に『エマニュエル・トッドの思考地図』(筑摩書房)、『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』『シャルリとは誰か?』『問題は英国ではない、EUなのだ』(いずれも文春新書)など。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ねこ

160
著者のエマニュエル・トッド はフランスの人口統計学者で歴史学者で人類学者。研究分野は歴史人口学、家族人類学。家族人類学とは、「絶対核家族」(親の遺言で相続者を指名)の英米、「平等主義核家族」のフランス「直系家族」(長子相続)の日本など、家族構造によってその国の行末を考えていく学問です。日本は人口減少に歯止めが掛からず、しかも年配者の都合ばかりが優先されている国である。解決案として日本人になりたい移民を特定の国からの集中させる事なく、質の高い教育を受けた者を毎年人数を決め受け入れる必要がある。私も同意見だ。2023/01/30

あすなろ

117
一度読んでみたいと思っていた仏の歴史人口学者・家族人類学者であるトッド氏の本。本書は、最近の寄稿文や対談を集め、最新原稿を付け加えたものであり、題名が本書の内容を表したものではないが、なかなか興味深いその慧眼を拝読したのである。その感想・印象はと言えば、収録対談のお相手の一人である本郷和人氏が上手く伝えられている。トッド氏の仮説を立てる力というのは凄いのだ、と。正にその通りだと思った。得られた知識や考え、そしてそこから考える自らの思考というのは大きいものがあった。別のトッド氏の著書を読んでみたいと思う。2022/02/19

tamami

74
フランスの歴史家、人口人類学者でもあるエマニュエル・トッドさんの文藝春秋などの雑誌に発表された評論をまとめたもの。岡目八目とでもいうのでしょうか、わが国の人口や家族についての指摘は首肯せざるを得ない項目が多い。国の存亡に関わる問題として、「人口減少」と「少子化」が挙げられているが、その要因の一つが「直系家族病」ともいうべき日本の家族構造にある、と言う指摘など、「家族」のあり方はどこでも基本的に同じであると思い込んでいた身にとっては、脳天を衝かれた思いだった。イスラーム社会でのイトコ婚率が三割ほどを占め、そ2021/12/04

belalugosi6997

72
天才翻訳家堀茂樹氏。斬れる刀のトッド氏が日本で人気なのは鞘(翻訳)のお陰。著書を読むば如実にわかる。典型的なのはピケティの章である、堀茂樹氏訳の後に読むと私には難しかった。興味深いのは思想が邪魔して投票先がたとえ自分達にとって不利であっても思想を優先してしまう。これは日本でもありえる、例えば「自分は保守である」自認すると自民党政権を支持してしまう。ところが自民党政権はグローバリズムであり中間層を没落させる新自由主義である。こうなると保守どころか売国政権である。思想よりも経済政策で選ぶべきである。ベスト著書2022/11/28

うりぼう

68
3本の氏へのインタビューと2本の対談をまとめたもの。人口学者である著者の慧眼が新鮮な視点を与えてくれる。不戦のための核武装は、理解はできるが、権力者に信用がないので不同意。少子化と移民対策が重要との指摘は、同意見。婚姻に関わらず、まず、出産することを寿ぐ社会になり、子育ては社会の責任に。日本で働きたい人は一人でも多く受け入れ、日本と母国に貢献してもらう。仲介ブローカーなく来日出来るシステムを。同化政策が重要との指摘も同感である。世界に出たがらない日本人、それなら来て、住んでもらうしか、相互理解に道はない。2022/07/23

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