NHKブックス<br> アンコール王朝興亡史

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NHKブックス
アンコール王朝興亡史

  • 著者名:石澤良昭
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • NHK出版(2021/11発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 510pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784140912713

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内容説明

密林に栄えた古代都市。その繁栄を支えたエネルギーは何か。碑文、発掘成果から迫る

アンコール王朝は、9世紀にカンボジアの密林の中に生まれた26代続くクメール人による王朝であった。歴代の王は、バライと呼ばれる灌漑用環濠、王都、寺院の3点セットを建設。高さ65メートルの尖塔をもつアンコールワットはじめ巨大伽藍を建設。寺院は王朝の宗教が変わるたびにシヴァ神、ヴィシュヌ神、仏教の偶像が挿げ替えられ、大規模な偶像破壊もあった。著者の率いる調査団が地下に埋納された大量の仏像を発掘し、世界に衝撃をもって報じられた。その後も、アンコール王朝史を書き換えるような調査が続けられている。各地に残された碑文の解析や新発見史料の解説を加筆し、アンコール王朝の興亡史を通観する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

山口透析鉄

28
市の図書館本。朝日新聞の連載で著者の自伝があり、アンコールワットの話も出ていたので読んでいます。 アンコール王朝の歴史が概説されていて、当時、世界で4番目に人口の多い都市だったそうです。溜池の建設と、高度の発達した灌漑設備と水路が米の二期作を可能にし、インディカ米等もインドから入ってきていたようです。 王は世襲制ではないので後継者問題が度々発生していたようで、素性不明の王もいます。 石碑の古クメール語を分析すると当時の生活もだいぶ分かり、中には裁判の記録などもあります。(以下はコメント欄に。改訂版です)2025/08/10

MUNEKAZ

14
著者も発掘に関わったアンコール遺跡についての解説と、アンコール・ワットを建立したジャヤヴァルマン7世までの通史が描かれる。アンコール陥落後の最末期の様子も知りたかったが、そこはサラッと流していたのが残念。ただ最盛期に整備した「王道」などの優れたインフラが、後年のアユタヤ朝との戦争では逆用され、防衛体制が整わぬうちに、首都への侵攻を許したというのは興味深いところ。またインドからの影響を取捨選択し、土着の信仰と融合させて、新たな文化を築き上げたのも面白い。この独自のリミックス感が東南アジアっぽさなのかなと。2022/06/26

ジュンジュン

12
「アンコールワットってどこだっけ?あの辺(=東南アジア)なのはわかるけど」レベルでスタート。…感嘆、世界は広いなあ。以下、新知見を。カンボジア史はわかりやすい。前アンコール時代、アンコール時代(802~1431)、ポスト・アンコール時代の三区分。植物の葉である”貝葉”に記録された為残らず、碑文や浮彫が基本史料となる。アンコールとは地名ではなく、”都城”の意味。インド、とりわけ宗教の影響大。王権は必ずしも世襲されない。アンコール王朝歴代王も、ほとんどが実力で獲得している。等々、驚きの連続。2021/12/01

bapaksejahtera

11
9~15世紀26代のアンコール王朝についてその石像建築物を中心に詳しく述べる。クメール人は古くから印度文化を取り入れ、在地文化を混在しつつ独特の文化を形成した。その典型がアンコール・ワットを始めとする石造遺跡群である。史料は殆ど建造物上の碑文に依存する。製紙技術は無く貝葉と呼ばれる椰子の一種に文書は記された事から滅失が激しい。著者は早くからカンボジア史の数少ない専門家であり、遺跡の形成や文化的側面について本書は詳しいし田越灌漑の生産力推計は興味深いが、同地の宗教史や人種的形質等の記述に薄いのが残念だった。2022/08/14

スターライト

9
東南アジア史は学校の教科書にもほとんど出てこず、近代以前ではわずかに山田長政のアユタヤぐらいが記憶に残っているだけ。世界遺産アンコールワットは有名だが、その地の歴史にふれられると思い着手。802年即位のジャヤヴァルマン2世からジャヤヴァルマン7世まで(王朝自体はその後5人の王が継ぐが)の歴史を発掘に関わった著者ならではの視点と考察で紹介。インドからの影響が大きかった(特に宗教)のは意外。チャンパーなどの隣国と争いつつ壮大な寺院などの建築物にかける権力者たちの熱意には圧倒された。2021/12/01

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