内容説明
出版後150年たつ今なお世界中の人々を魅了する『不思議の国のアリス』にこめられた遊び心や面白さを、ことばにこだわって読み解く。また、細かい語法や表現を虫眼鏡でじっとみる「虫の目」、鳥瞰図から大きな構図や仕掛けをみる「鳥の目」、時代の流れをこえてあせない魅力をみる「魚の目」といった多様な視点から迫るコラムも多数掲載し、ことば学というプリズムを通して、原著のことばと論理の多彩な輝きをとらえる。
目次
地下の国へ
4×5=12?!―数字のマジック
ネズミの尾の上話―ねじれていく話
ぶっ飛ビル―ドタバタのメタ世界
おまえは誰じゃ?/おまえは大蛇!―かみあわない話
トンでもない豚児―変身話
おかしな茶会―ないのにあるとすます
白を赤に―問答無用
ニセ海亀の学校―しゃれ満艦飾
イセ海老のダンス―パロディ詩
ミセ掛けの裁判―ねばならぬなら、ねばならぬ
夢からさめて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
evifrei
10
不思議の国のアリスを論理分析・言葉分析により説明する。原文の引用多数。鳥の目・虫の目・魚の目と称する補足的なコラムが面白かった。本書で初めて知ったのだが、アリスに収録されている詩や歌は、アリス執筆時に著名だった詩や歌が元ネタとなったパロディ作品だったらしい。『ロブスターカドリーユ』や『ウィリアムおじさん』はキャロルの独創だと思っていたので驚いた。また、不思議~ではアリスの身長が変わりまくるが、その変遷を一覧にした図も面白い。首が伸びて鳩に蛇と間違われた時のアリスが最も背が高いようだ。次点が一度目の首伸び。2019/12/22
Koichiro Minematsu
8
ことばの面白さ! DVD、ビデオのアリスも見方が変わると思う!(笑)2015/08/06
たか
3
内容は一般人向けにわかりやすく工夫されてますが英文学、英語学あたりの基礎知識が無いとちょっとキツイかな。2016/02/24
Iwanchu
1
文学部の人は、この本のように考えて読書するのかな?2019/11/23
きし
0
原文を引用しているので、どんな言葉遊びをしているか分かるのは良かったが、引用された英語の原文を全部読もうとすると、時間と心の余裕がある時でないと難しい。2016/04/13