内容説明
無意識の最深層では、心と身体ををつなぐ移行的領域である類心的無意識に至る。ユングが提唱したこの概念は、内因性精神病、器質性精神障害、発達障害などの問題のみならず、健常者の心身の成長、人間と世界の精妙な関係性にまつわる問題に対しても、有用かつ新鮮な示唆を与える。ユング派分析家・精神科医である著者が、アクティヴ・イマジネーションや武道などのボディーワークを通じて見出した心と身体の新たな関係とは。
目次
第1章 ユング心理学の心身観
第2章 発達系と心身
第3章 トラウマ系と心身
第4章 身体系と心身
第5章 アクティヴ・イマジネーションのエッジ
第6章 類心的イマジネーション
第7章 類心的リアリティと時空の超越
第8章 心と身体のあいだ
感想・レビュー
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・Jung晩期の類心的(Psychoid)概念を手掛かりに、近年流行のトラウマ系アプローチを検討していて有難い。元々の集合的無意識仮説自体が進化論寄りのせいか、ポリヴェーガル理論と親和性高い面がある。アクティブイマジネーションが当初「visioning」と称されていたことは、トラウマ記憶の視覚的優位性と関連性伺えて興味深。 ・俗にいう「置き撃ち」を可能ならしめる時空間超越性の卑近例として、コブラのサイコガンを挙げてるのが妙に印象的。同時期の初代ガンダムのNTよりもdropping要素が在るのであろうか。