新潮文庫 結婚のためなら死んでもいい（新潮文庫）

著者名：南綾子【著】

新潮社（2021/02発売）

• ISBN：9784101025810

内容説明

わたしはね、55歳になったあんた自身、そして今でも独身だよ――。彼氏なし、売れない小説家の「わたし」は、勤め先のエレベーターの片隅に佇む女からそう告げられる。気迫に満ちた未来の自分に促され、死に物狂いの婚活を開始するが。自分語りが大好きな皮膚科医、24歳のかわいいＤＪ、趣味は合うほぼ童貞のＳＥ……。〈運命の人〉は実在するのか。過激で赤裸々で切ない10年を描く実録小説。『婚活1000本ノック』を全面改稿の上、改題。併せてお読みください。（解説・清田隆之）

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[fwhd8325]

婚活している女性がこんな経験しているんだと驚きました。女性の視点で書かれているから、男の身勝手さや女性を下に見ている実情は同性として複雑です。私の時代では、女性が女性でることを主張しはじめ、結婚相手に3Kが必須であるように語っていました。バブル崩壊でそうした条件も変化しているのでしょうが、いまだに譲れない条件はあるのですね。とても面白い作品だと思います。

2021/07/22

[キク]

兼業女性作家の30代婚活自叙伝。小説的深みはないし、上質エンタメには技術が足りない。普段なら途中で投げ出してる。でも最後まで読んだ。未婚の同世代男性達を、性的に奔放だった20代の自分を、同じ気質を持っていた自殺した弟を、将来孤独に生きているであろう自分を、どこか冷めて見つめながら、ユーモラスに描く。その姿勢が好きだ。絶望は安易で、拒絶は安直だ。でもユーモアは決意だ。高杉晋作の「面白きこともなき世を、面白く」、奥田民生の「上手く笑えるユーモアを」的基準でみたらハイレベル。決して上手くはないけど、素敵ではある

2022/03/10

[えりこんぐ]

南さんの本はほとんど読んでるけど、そんなに売れてないのか🤔『婚活1000本ノック』はとにかく大爆笑だった事を覚えている。だいぶ内容が違うような。。今回はシリアスな部分も多く、本当だとしたらこんなに人生をさらけ出していいのか心配になった。そしてまさかの同じ短大出身🤣　ふたつ違いで在学がズレてるのが惜しい。お友達になりたかったー。今後の婚活も人生も応援したい。【積読130】

2021/10/11

[萩]

まずしょっぱなから著者の釣書が。身を削っての婚活私小説？らしい。「私はね、55歳になったあんただよ。今も独身で孤独だわよ」ある日29歳の南さんの前にみすぼらしいオバさんが現れる。未来からやってきた自分。こうはなりたくない！本気で婚活しないと！という物語だが、まあとっ散らかった内容。赤裸々でお下劣な文章。コミカル風だがヘビーな急展開。煙に巻かれたようなラスト。思ってたのとは全然違ったが意外と考えさせられた。とりあえず作中の南さんが男性を見る目がない、というのだけはハッキリわかった。賛否わかれるであろう1冊。

2021/04/20

[mincharos]

「知られざるわたしの日記」で知った南綾子さん。「婚活1000本ノック」の文庫改題ということで、表紙が五月女ケイ子さんだったので、思わず借りた。私小説（フィクション混じり）なので、南さんのことをだいぶ知れた気に。私も結婚しなきゃって焦ってた時期に、恋愛センサーが全く動かない人に告白され、つきあっていくうちに好きになれるかもしれない！とつきあってみたけど、たった2週間でギブアップしたことを思い出す。（U香さんの体験談から）南さんのお母さんが素敵な人！みかどっちみたいな人を好きになる辺り、南さん精神が若いｗ

2021/05/28